研究課題/領域番号 |
01480486
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児・社会系歯学
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
三宅 達郎 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (40200141)
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研究分担者 |
上村 参生 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (70168665)
熨斗 秀光 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20103088)
神原 正樹 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (90103085)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | 合成ハイドロキシアパタイト / タンパク質 / 細菌 / Zeta電位 / フッ化物 / 吸着 / 付着 / 表面 / フッ素 / ESCA |
研究概要 |
う蝕や歯周疾患発症の共通因子である歯垢の形成は、歯表面へのタンパク質および細菌の吸着・付着現象であり、歯、タンパク質および細菌表面の物理化学的特性や静電気的相互作用が大きく影響すると考えられる。 この研究では、まずエナメル質の主成分である合成ハイドロキシアパタイト(HAp)、タンパク質および細菌のzeta電位(Mobility)の測定法を確立するとともに、HApへのタンパク質の吸着現象を物理化学的に解析した。また細菌については、XPSを用いて表面元素分析をするとともに、AFMを用いて形態分析を行い、その結果と界面電気化学的特性との関連性について考察した。その結果、次に示す知見を得た。 1.HApだけでなく生体コロイドとしてタンパク質や細菌表面についてもzeta電位の測定が可能であった。また、沈降性の高いHAp系の試料は測定時間の短いPen-Kem社製の装置が適しているのに対し、粒径が小さいタンパク質ならびに粒子の静止を判断するのが困難である細菌については光散乱型の大塚電子社製およびMalvern社製の装置が適していることがわかった。 2.フッ化物およびフッ素系界面活性剤の処理によって、HApやエナメル質の表面特性が変化し、その変化がHApへのタンパク質の吸着現象に大きく影響を及ぼした。HApへのタンパク質の吸着は他の吸着現象とは異なり、HApの疎水化がわずかな場合には吸着は減少するが、疎水化が極端になると、逆に吸着は増加した。 3.口腔内細菌表面のzeta電位はpH5.0〜9.0の間ではほとんど変化せず,負の電位が大きい細菌と、電位が0付近の細菌の2種類に分別できた。また細菌表面のzeta電位の大きさは,細菌表層のリン化合物の存在および針状突起物の長さやなめらかさに影響を受けることが示唆された。
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