研究課題/領域番号 |
01480491
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
小橋 恭一 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (80019108)
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研究分担者 |
赤尾 光昭 富山医科薬科大学, 薬学部, 講師 (20069058)
竹部 幸子 Faculty of Pharm. Sci., Toyama Med. & Pharm. Univ. Research associate (20135031)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1991年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 硫酸転移酵素 / チロシン含有ペプチド / ポリフェノ-ル / 硫酸抱合 |
研究概要 |
本研究で発見したヒト腸内菌ユ-バクテリウム由来の新しい硫酸転移酵素を用いて、フェノ-ル性水酸基の硫酸化について検討し、次の研究業績をあげた。 1.チロジン含有ペプチドであるCCK、VIP、ILーII、アンジオテンシン、ヒルジン、ガストリン、エンケファリンなどのホルモンおよび絹フィブロインの酵素的硫酸化を行った。脳腸ペプチドは硫酸化によってほルモン活性は著しく増大したが、他のペプチドのホルモン肝性は低下した。ファブロインは硫酸化により水溶性が増加した。さらに硫酸化ペプチドは各種プロテア-ゼによる加水分解に抵抗性を示した。 2.カテコ-ルアミン類のフェノ-ル基はよく硫酸化され、生理活性を失った。植物成分であるポリフェノ-ル(フラボン、タンニンなど)も位置特異的に硫酸化された。これらはいずれも水溶性となり、体内での解毒反応の一つと推定される。また、フェノ-ル性抗生物質も硫酸化されたが、抗菌活性は変動しなかった。 3.本酵素を単一にまで精製し、酵素化学的性質を明らかとした。本酵素はマグネシウムを持つ金属酵素で、反応はピンポンーバイバイ機構により進行し、また、基質のpKaと反応速度、至適pHとの関係を証明した。 4.本酵素産生菌は基質添加培養で適応的に酵素を産生し、グリシン添加培地で菌膜が脆弱化し、量産が容易になった。また、本酵素を固定化することに成功し、長期安定に使用することが可能となった。 以上の知見により、経口的に摂取される食品や医薬品中のフェノ-ル化合物が本酵素により消化管内において硫酸化され、吸収、排泄に影響し、解毒効果を示すものと推定した。また、チロジン含有ペプチドやポリフェノ-ルの特異的硫酸化法としての生物工学的応用が期待される。
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