研究課題/領域番号 |
01480527
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
山下 哲 群馬大学, 医学部, 教授 (50025623)
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研究分担者 |
小瀧 努 群馬大学, 医学部, 助手 (70170264)
内田 勉 群馬大学, 医学部, 助手 (00160276)
仁川 純一 群馬大学, 医学部, 講師 (00134271)
保坂 公平 群馬大学, 医学部, 講師 (70108992)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | リン脂質合成 / 遺伝子クロ-ニング / プロモ-タ- / ホスファチジルエタノ-ルアミンメチル化経路 / コリンキナ-ゼ / 転写因子 |
研究概要 |
ホスファチジルコリンは生体膜の形成にあずかり、真核生物の種々の生理機能に深くかかわっている。その生合成がどのように調節されているかを明らかにするため、酵母とラット肝臓を材料に用いてホスファチジルエタノ-ルアミンメチル化経路とCDPコリン経路の構造遺伝子の構造と機能、発現調節の研究を行ない、次のような成果を得た。 1.酵母ホスファチジルエタノ-ルアミンメチル化経路の構造遺伝子PEM1、PEM2の機能と発現調節。本経路の酵素は遺伝子PEM1、PEM2によってコ-ドされている。これらの遺伝子の機能と生理的役割を明らかにするため、それぞれの遺伝子座位の破壊を行ない、得られた変異株のメチル化能を調べた。その結果PEM1のコ-ドする酵素は1段目のメチル化に特異的であるのに対して、PEM2酵素はより広い特異性を示し2段目、3段目のメチル化に対して強い活性を示すことが明らかになった。つぎにPEM1、PEM2遺伝子はともにイノシト-ルとコリンにより抑制を受けるので共通の転写調節を受けていると考え、PEM1、PEM2遺伝伝子の発現調節領域の決定を行なった。その結果、両遺伝子の5'上流域に共通して存在する特定の塩基配列がこれらの遺伝子の発現と調節に重要な役割を果たしていることがわかった。その配列はPEM1遺伝子の場合にはオクタマ-配列CATRTGAAの繰り返しであり、PEM2遺伝子の場合にはCATRTGAAとGRFI結合部位の組み合わせであると同定された。酵母抽出液の中にこれらの配列に特異的に結合する蛋白質が同定された。 2.ラットコリンキナ-ゼcDNAのクロ-ニング。コリンキナ-ゼはCDPコリン経路の初発酵素でいろいろな条件下に変動する。コリンキナ-ゼ遺伝子の発現調節を明らかにするために、酵素の精製、抗体の作成、およびcDNAクロ-ニングを行なった。ラット脳から15000倍の精製を行ない、均一な酵素標品を得た。酵素は44kDaのサブユニット2個から成るホモダイマ-であった。抗体を作成し、ラット肝臓のλ11cDNAライブラリ-からコリンキナ-ゼcDNAクロ-ンを得た。得られたcDNAを発見ベクタ-に挿入して大腸菌に導入したところコリンキナ-ゼ活性が発現した。構造解析の結果酵母コリンキナ-ゼ遺伝子との間に有意のホモロジ-が見出された。
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