研究課題/領域番号 |
01480538
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤澤 久雄 (藤沢 久雄) 京都大学, 理学部, 教授 (00025347)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | T3ファ-ジ / 頭部形成 / DNA成熟 / DNA詰込みシグナル / シグナル認識 / 分子機構 / 詰込みシグナル |
研究概要 |
T3ファ-ジDNAは両端に重複配列を持つ。ファ-ジDNAは重複配列を介してheadーtoーtailに連なったコンカテマ-として合成され、頭部形成の際、コンテカマ-からゲノムDNAが切り出され(DNA成熟)、頭部内に詰込まれる。T3ファ-ジは自己DNAを選択的に頭部に詰込む。DNA成熟は詰込みに依存している。コンカテマ-から重複配列を含むDNA断片をプラスミドにクロ-ンすると、T3ファ-ジはこのプラスミドを頭部に詰込み、他細胞に形質導入する。この形質導入系を用いて、詰込みに必要なpac配列はT3RNAポリメラ-ゼのプロモ-タ-配列(pacB)及び重複配列とその隣接配列からなるDNA切断の標的配列はT3RNAポリメラ-ゼのプロモ-タ-配列(pacB)及び重複配例とその隣接配列からなるDNA切断の標的配列(PacC)から構成されている事が明かになった。近縁のT7ファ-ジとのキメラpac配列を持つプラスミドの形質導入の特異性の解析はpacB配列がDNA詰込みの特異性決定配列である事を示した。精製in vitroDNA詰込み系はpacC配列を持つ線状DNAを左方向に詰込んだ後、重複配列の左端で切断した。in vivoDNA詰込みは左方向に進行するので、この切断はコンカテマ-からゲノムDNAを切り離す終結切断に相当する。終結切断と詰込み反応の解析から、DNAが頭殻内を充すにつれ、詰込み速度が低下し、それにより標的配列の認識が可能になり、終結切断が誘起されると結論した。終結切断にはT3/T7間で特異性はない。これらの事実はDNA詰込みにおける自己DNAの選択はDNA詰込み装置がコンカテマ-DNA上のpacB配列を認識して結合し、pacC配列上の重複配列の右端で切断し、詰込み開始に必須なDNA端を創る開始切断におる事を示す。詰込み蛋白質gp19に突然変異を導入し、pacC配列を認識するが切断活性を失った変異体を分離して、gp19がDNA成熟に中心的役割を持つことを明らかにした。
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