• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

シュワン細胞の動的変形と神経インパルスの変調

研究課題

研究課題/領域番号 01480545
研究種目

一般研究(B)

配分区分補助金
研究分野 生体物性学
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

久木田 文夫  岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (40113427)

研究期間 (年度) 1989 – 1990
研究課題ステータス 完了 (1991年度)
配分額 *注記
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1989年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
キーワードシュワン細胞 / 神経線維 / 神経インパルス / Kイオン濃度調節 / 脳微小環境 / インパルス変調
研究概要

脳でのグリア細胞による神経細胞周辺の微小環境調節機構をモデル系で調べるため,近縁の細胞であるイカのシュワン細胞の神経線維活動に及ぼす影響を調べてきた。特に,シュワン細胞と軸索の間の間隙やシュワン細胞層のイオン透過性を人工的に変化させることができるイカ巨大神経線維標本を用いて実験した結果,次のようなことが明らかになった。
1)軸索外表面のKイオンの蓄積はシュワン細胞と軸索の空間的な位置関係により大きくかわる。シュワン細胞層と軸索に浸透圧勾配を与えると外向きの浸透圧勾配ではKイオンの蓄積が減少し,内向きの勾配ではKイオンの蓄積が増大する。
2)細胞外の溶液のKイオン濃度(シュワン細胞の周りのKイオン濃度)を高めると,軸索外表面のKイオンの蓄積は増大する。Kイオンの蓄積の時間経過から求められるシュワン細胞と軸索の間の間隙の幅(Θ)やシュワン細胞層のKイオン透過性(P)は減少することが分かった。つまり,シュワン細胞の形態がKイオンにより変化することを示している。
3)神経線維を頻回刺激した際の活動電位の発生パタ-ンはシュワン細胞層の性質を表すパラメ-タΘやPの変化に伴い,興奮性の閾値が変化するために発火ミスをも含む様々なパタ-ンを示すことを神経線維用いた実験やコンピュ-タシミュレ-ションにより明らかにした。
4)同様なことが生理的条件下でも起こり軸索から神経の活動状態をシュワン細胞に伝えるメカニズムとしてKイオンや伝達物質の役割が検討されている。又,シュワン細胞が神経の活動に応じて,細胞の体積やKイオン透過性などを合目的的に変化させていると推定している。この研究は日英共同研究として現在進行中である。
5)麻酔剤などの薬物の作用の軸索とシュワン細胞に対する効果を分離して解析する方法を検討中である。

報告書

(3件)
  • 1991 研究成果報告書概要
  • 1990 実績報告書
  • 1989 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] 久木田 文夫: "Kinetic analysis of the denaturation process of sodium channel in squid giant axon by alcohols." J.Phsiol.(Lond).

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 久木田 文夫: "Effects of periaxonal space potassium accumulation on nerve activities." Eur.J.Physiol.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Fumio KUKITA: "Kinetic analysis of the denaturation process of sodium channel in squid giant axon." Journal of Physiology.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Fumio KUKITA: "Effects of periaxonal space potassium accumulation on nerve activites." Eur J. Physiol.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1991 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] F.Kukita: "Dual effects of alcohol on squid giant axons" J.Physiol.(Lond).

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] F.Kukita: "Regulation of periaxonal potassium in squid giant axon." Eur.J.Physiol.

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書
  • [文献書誌] 久木田文夫: "軸索外表面のKイオンの蓄積とその生理的役割" 生物物理. 29. 24-27 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] F.Kukita: "Periaxonal potassium concentration is regulated by Schwann cell layers." J.Physiol.

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 日本生物物理学会編: "生命科学の基礎6 生体膜の分子素子・分子機械「膜電位変化とイオンチャネル」の章を分担" 学会出版センタ-, (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

URL: 

公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi