研究課題/領域番号 |
01490007
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長野 晃三 東京大学, 薬学部, 助教授 (30012636)
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研究分担者 |
板井 昭子 東京大学, 薬学部, 助教授 (60012647)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 正二十面体 / 糖鎖 / ジアシル型フオスフアチジルコリン / 分子充填モデル / 峡谷称構造 / 受容体 / 予測高次構造 / 原子差標 / 表面抗原 / preーS1領域 / preーS2領域 / コア抗原 / HBcAg dimer / HBsAg inner dimer / HBsAG outer dimer / B型肝炎ウィルス / ユア抗原 / アミノ酸配列 / 三次元構造予測 / 2分子会合体 / 小型球形粒子 / Dane粒子 |
研究概要 |
B型肝炎の小型球形粒子はHBsAgのinner dimer60分子とouter dimer60分子が正二十面体上にT=1の対称性で詰められることによって生成することが明らかとなった。inner dimerもouter dimerもすべて1分子1本ずつの糖鎖を持つことが明らかとなったので、中心部の空隙はすべて水であり、リピドはHBsAg dimerにつき22分子がβsheetの間にサンドイッチ状に結合するものだけで説明できることになった。ジアシル型フォスファチジルコリンを特異的に結合する理由は、保存されているグルタミンの側鎖の他に4本のβ鎖の端の酸アミドを考慮する必要がある。現在そのような合理的な分子充填モデルを構築中である。Dane粒子については先にHBcAg dimerがSS結合によって形成され、その上にHBsAgのinner dimerとouter dimerが乗ることによって、5回軸と擬6回軸が1:1の比率で存在する対称性T=3の正二十面体を形成することを予測した。Dane粒子の擬6回軸に形成されるpreーS1領域とpreーS2領域の峡谷称構造が肝細胞に存在すると思われる受容体によって特異的に認識される可能性がある。更にその部分がouter dimerが横すべりしてDane粒子の輪郭構造が崩れるのを防いで安定化していることも見出された。アジア型やアフリカ型の亜型によるアミノ酸の変異はすべて表面に現れるが、受容体に認識されることはないような凹みや陰にかくれるようになっている。一方、5回軸の方はHBsAgのsmall woleculeN端やC端がそのまま現れており、やはり峡谷称構造を形成しているが、こちらは肝細胞膜にHBsAgのN端が突入し、内部のDNAが注入されるように思われる。最近になってその部分の予測高次構造を組立てることが出来た。その原子座標を測定、合理的にし、既に組立てあるinneス dimerやouter dimerのDane粒子上の原子座標につないで、全体としても合理的な高次構造として仕上げて、発表する予定である。
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