研究課題/領域番号 |
01490010
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
米田 満樹 京都大学, 理学部, 教授 (50017183)
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研究分担者 |
丸山 好彦 京都大学, 理学部, 助手 (60135514)
久保田 洋 京都大学, 理学部, 助手 (40115837)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1989年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 減数分裂 / 細胞周期 / S期開始 / BrdU / ヒトデ / 初期発生 |
研究概要 |
ヒトデの卵母細胞には、卵成熟の第2次停止がないので、卵核胞崩壊後いつでも受精可能である。これを利用して、成熟の過程と、受精に始まる付活の過程のタイミングが、受精卵の細胞周期にどう関わっているかをしらべた。卵母細胞をその第1極体放出前から第2極体放出後までのさまざまの成熟過程で受精させたときのDNAの複製(S期)開始の時刻を、BrdUの連続標識によって検出した。いずれの時期に媒精しても、S期は核融合の直前から始まった。第1極体放出後に媒精した卵では、両前核は共に、媒精後一定の時間(バッチにより30-45分)でS期に入った。一方第1極体放出前に受精したものでは、媒精から測った時間でなく、第2極体放出後一定の短い時間(10-15分)でS期に入った。おそい受精の場合に、付活からS期まで一定の時間をかけて進行する「(S期に到る)付活後の過程」が、早い受精の場合には、減数分裂の過程と平行して独立に進行すると考えるのが、単純な理解である。早い受精では第2極体放出からS期までの一定で短い期間には、卵精子両核の前核化にかかる時間も含まれ、また1個の前核にまとまる前のカリオメアですでに抗BrdU抗体のラベルが検出されることもあるから、減数分裂の終了からS期開始の間は実際は極めて短い。即ち、「S期にいたる付活後の過程」の大部分は、減数分裂の進行に依存せずに自律的に進み、最後のS期進入の僅かなステップだけが減数分裂の完了を待つ、と解釈される。なおS期検出と同時にDAPIによる観察をしたところ、おそい受精のときに限って、核クロマチンは前核化ののちも十分には脱凝縮せず、せんい状の分布をもったままS期にはいった。このことは、S期開始と核クロマチンの脱凝縮が必ずしもカップルしないことを示す一方で脱凝縮の過程がS期の開始同様(ただし少し違う機構で)、やはり「付活後の過程」の進行に依存することを示すものと考えられる。
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