研究課題/領域番号 |
01490019
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
|
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
植村 慶一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90049792)
|
研究分担者 |
吉村 和法 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20158497)
三浦 正幸 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50202338)
竹居 光太郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40202163)
阿相 皓晃 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30104160)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1989年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | 神経組織 / モノクロ-ナル抗体 / 膜蛋白 / レクチン |
研究概要 |
神経組織には神経系の発生、分化、再生に関与する膜蛋白群が見出されている。本研究は神経組織に特異的な膜蛋白群を検出し、それらの分子の構造と機能の研究を行なうことを目的とした。実験方法として、モノクロ-ナル抗体法を用い、免疫組織学的なスクリ-ニング法によって特異的な蛋白の検出を行ない、蛋白の分析を試みた。 1.新生動物脳組織の膜画分より、0.25%デオキシコ-ル酸溶液によって、膜蛋白を可溶化し、レンチルレクチンアフィニティ-カラムに吸着する画分を抗原として、モノクロ-ナル抗体の作成を行ない、神経組織に染色性の高い数種のモノクロ-ナル抗体(3G9、2B7、1C11、5H2)を得た。3G9抗体は大脳の灰白質の主に神経細胞の細胞体が染色され、グリア細胞は染色されなかった。一方、2B7抗体は白質で高い染色性が認められた。1C11抗体は大脳の細胞間質に染色性が高く、分泌性の糖質複合体である可能性が示された。5H2抗体は神経細胞および一部のグリア細胞と陽性反応を示した。これらの抗体はラットのみではなく、マウスの神経組織とも類似の反応性を示し、哺乳動物に共通に存在する可能性を示した。ウエスタンブロッチングによる免疫染色では、3G9抗体は成熟ラット脳組織の膜画分の35Kおよび100Kの蛋白と陽性反応を示したが、新生ラットではより低分子の蛋白と反応する傾向が見られた。これらの抗体が反応を示す抗原物質の細胞特異性、細胞内の局在、発生過程における変化などについて検討中である。 2.脳組織の細胞核の蛋白画分を抗原として、5E5、2F7、7F10の3種のモノクロ-ナル抗体を作成した。5E5抗体はある種の神経細胞の核内構造物と特異的に反応し、2F7抗体は細胞の核膜を特異的に染色し、反応の強さは神経細胞>グリア細胞>筋細胞の順で、その他の細胞との反応は極めて弱かった。さらにウエスタンブロッチングでは2F7抗体は分子量68Kの蛋白と強い陽性反応を示した。7F10抗体はすべての細胞の核を染色し、ウエスタンブロッチングの結果から、ヒストンの1種に対する抗体であると結論された。さらに免疫電顕などによる検案を行なっている。
|