研究課題/領域番号 |
01510070
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
吉田 甫 宮崎大学, 助教授 (80094085)
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研究分担者 |
衛藤 俊士 宮崎大学, 教育学部, 教諭
栗山 和広 宮崎女子短期大学, 助教授 (10170094)
宇田 廣文 宮崎大学, 教育学部, 教授 (50040994)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 知識の統旨 / 誤った方略 / 分数の習得過程 / 既有知識 / 知識の統合 / 誤り方略 / 知識構造 / 分数概念 / 知識の表象 |
研究概要 |
最終年度では、6年生を対象者として研究をおこなった。本年度の目的としては、これまで3年間にわたって分数を学習してきているので、その理解が既有知識と統合されたかどうかを検討するものであった。方法としては、分数の単元を学習する前に事前テストをおこない、単元をおよそ1カ月にわたって学習した後で、事後テストを実施した。その後で、特徴的な方略を示した子どもを抽出して個別の面接テストをおこなった。事前・事後テストおよび面接テストで得られたデ-タから子どもの知識を推定しようという計画である。 こうした研究の結果、以下のような結果が見いだされた。 1.分数の大きさに関しては、事前テストから事後テストにかけて同分母・異分子と異分母・同分子のパタ-ンについては23%の成績の増加がみられた。しかし、異分子・異分母のパタ-ンについてはわずか11%の成績の増加であった。しかも、分母(分子)が大きくなるほど分数の大きさが大きくなるという方略をもっている子どもについては、事前テストでの傾向とまったく同じであった。こうした傾向は4年から続いていることが確認された。つまり、一旦誤った知識が獲得されると、それを修正することは、通常の授業では困難であることを示唆している。 2.面接の結果から、子どもが示す知識には正しい知識への収斂の傾向がみられた。知識の内容を分類してみると、既有知識からの方略が少しずつ減少し、代わって分数系からの知識が増加していた。方略群毎にこの知識の収斂の傾向を調べたところ、既有知識に近い群ほど誤った知識の数が多くみられた。このことから、全体的には分数系の知識へ変化していることが示唆された。 3.これらの結果を基礎として、どのような教授介入が可能であるかも考察された。
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