研究課題/領域番号 |
01510079
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
福田 秀樹 東邦大学, 医学部, 助手 (80167618)
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研究分担者 |
坂本 正裕 東邦大学, 医学部, 助手 (40130364)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 睡眠 / REM睡眠 / サル / 皮質脳波 / 前頭眼野 |
研究概要 |
覚醒期に何か物を見ているとき、とくに随意的な眼球運動において、ヒトでもサルでも大脳皮質の中で前頭眼野と呼ばれる領域が重要な役割を果たしている。この研究の目的は、睡眠中、急速な眼球運動が生じているREM睡眠中に、この前頭眼野がどのような活動様式を示すかについて皮質脳波活動の記録から検討することを目的とした。3頭の日本サル(Macaca fuscata)についてサ-チコイル法による眼球運動記録のためにアイコイルを両眼結膜下に、皮質脳波記録用電極を左右の前頭眼野と視覚野の硬膜上に、筋活動記録用ステンレス・ワイヤ-を頸筋にそれぞれ慢性記録可能なように植え込み手術を行った。睡眠ポリグラフは、モンキ-・チェア-上で眠らせた状態で記録し、睡眠時間帯を20時頃から翌朝の6時頃とした。記録回数は、5晩から10晩であった。この間の皮質脳波は、日電三栄製7T18を用い、高速フ-リエ解析(FFT)を行った。また睡眠ポリグラフから従来の視察的判定に準拠して睡眠段階判定し、覚醒、NREM睡眠、REM睡眠に分類した。最後に、前述のFFT結果から速波帯域(25-44H_z)のパワ-値を求め、視察的睡眠段階判定の結果と照らし合わせた。その結果、前頭部の皮質脳波の速波成分のパワ-値は、REM睡眠の直前かに上昇し、REM睡眠中はそのレベルを維持し、REM睡眠終了と同時に急速に低下した。この速波パワ-は覚醒時とREM睡眠時とほぼ同じであり、中等度、深睡眠では低下していた。この関連性は、われわれが記録した範囲内では前頭部でもっとも顕著であった。さらに、前頭部の電極の植え込み部位が前頭眼野に近ければ近い程、この傾向は強かった。皮質脳波の速波化は通常その部位の賦活を反映しているとされるから、REM睡眠中の眼球運動発現に前頭眼野の賦活が関与している可能性が示唆される。
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