研究概要 |
Jenkins Activity Survey(JAS)によって抽出されたタイプA行動者とノン・タイプA行動者(各6名)を対象として、(1)解決困難な課題場面でのタイプA行動者特有の解決方略が存在するかどうか,(2)嫌悪刺激を伴う課題場面において、タイプA行動と不安、セルフ・エフィカシ-との関係はどのようになっているか、(3)タイプA行動者が不安に対処するときに、セルフ・エフィカシ-を向上させる手続きはどうような効果を持っているか、という点を検討するために実験を行った。 用いられた課題は、数列穴埋め課題10題で、制限時間内に課題を解くことができない場合には、嫌悪刺激として電撃が与えられた。また、各試行に先立って、課題をどのくらい確実に解くことができるかについてのセルフ・エフィカシ-評価が行われ、各試行後には、セルフ・エフィカシ-を向上させるための操作として、心拍数と末梢皮膚温のフィ-ドバック、および言語的教示が与えられた。 実験の結果, (1)タイプA行動者は、ノン・タイプA行動者に比べて反応時間が短く、行動的反応傾向にある。 (2)タイプA行動者は、課題成功にともなってセルフ・エフィカシ-を高く見積もる傾向にある。 (3)タイプA行動者は、自らの生理的反応に関するフィ-ヒドバック情報を有効に活用することのできる傾向にある。 等の諸点があきらかにされた。
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