研究課題/領域番号 |
01510117
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
鎌田 とし子 東京女子大学, 文理学部, 教授 (00086323)
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研究分担者 |
安田 尚 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (30157995)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | リストラクチュアリング / 出向 / 不況産業 |
研究概要 |
1985年以後の円高定着は大企業に危機感を抱かせ、国内的には不採算部門の縮小、新規事業分野の開拓と経営多角化といった事業再構築へと向わせた。不況産業の代表格である鉄鋼業ならびに金属加工業においては、この動きをもろに受け、不要化した労働力の配置替え、出向、解雇が急速に進んだ。 まず鉄鋼業大手企業を対象に、高炉が全廃される地方製鉄所における人員削減計画とその進捗状況をみると、最盛期1万人を数えた労働者は「中期計画」終了の1990年には2千人に縮小する。ここ3年間をとれば2千人削減される人員は、転勤1/3、出向1/3、その他年満退職の不補充・早期退職勧告、職種転換教育、臨時休職となっている。このうち特筆すべき削減法は出向であり、下請企業、新設子会社、情報産業等他社へ出向させた。終身雇用制を一応保持しながら実質的に半ば解雇する巧妙な方法は、二重構造を利用して弾力的に行われた。本研究は、地方及び首都圏に散在する出向者を追跡しアンケ-トと面接調査を実施して詳細な実態把握に成功した。他方、燕市で行なった金属加工業においても急速な円高が中小零細企業(9人以下が90%)を主体とする輸出産業(輸出依存率75%)に危機をもたらし、1985年9月〜'87年12月の円高倒産(大規模)は14社、負債総額31億9千万円、従業員数175名にのぼった。工業統計調査でも'85〜'87年の事業所数は43の減、175人の減少となっている。円高対策としては(1)業種転換、(2)雇用調整、(3)円高対策緊急融資等(市、県、国)が試みられたが、(3)の効果(融資実績の総額170億円)が大きいが、同時に(4)企業主の個人財産の投入、(5)分業の各段階への単価切下げの均等負担も大きな役割を果した。退職者の高齢者層は年金生活者へリタイヤ-、その他は他業種への転業を余儀なくされている。
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