研究課題/領域番号 |
01510119
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
小島 蓉子 日本女子大学, 文学部・社会福祉学科, 教授 (40060636)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 地域(に根ざした)リハビリテ-ション / CBR / 発展途上国 / 脱施設化 / 在宅サ-ビス / 生活共同組合 / 個別介助システム / 自立生活訓練 |
研究概要 |
地域(に根ざした)リハビリテ-ション(コミュニティ・ベイスド・リハビリテ-ション:CBR)は、従来の病院や施設での専門家による先進国のリハビリテ-ション実践に対し、社会資源も専門家も乏しく、人口の約9割が農業人口であるといった発展途上国のリハビリテ-ション・ニ-ズにとってのサ-ビス供給手段として登場して来た政策である。 ところが1980年代は、先進工業国でも障害者の主体性の目覚めと権利意識に支えられて、脱施設化現象が進展し、施設ケアに代る地域自立が促されるなかで、住民参加型のリハビリテ-ション実践が志向されるようになった。日本におけるように福祉面の公的依存の強い国々では、たとえ経済面では先進国ではあっても、地域の福祉実践能力は強化されも又訓練もされもいないために、発展途上国並であるということが明らかになった。そこで地域開発という思想や働きかけは、先進工業国の大都市にも必要なのだということが課題とされるようになった。 かような文脈の中での本研究は、わが国で地域に根ざして行われている社会リハビリテ-ションを調査して、類型化したものである。それらは、(1)地方自治体によるホ-ムヘルプ、(2)社会福祉協議会の行う在宅サ-ビス、(3)第3セクタ-方式による福祉公団方式の在宅福祉サ-ビス、(4)生活共同組合によるメンバ-間の相互扶助サ-ビス、(5)近隣組織による住民ボランティ活動、(6)理学療法士や医師の脱組織的な在宅福祉・リハビリテ-ション実践、などとしてモデル化することが出来た。 わが国の在宅サ-ビスは普通、対象を老人と障害者と区別することなく、援助者の提供しやすいケアを提供するものとなっている。欧米先進国の事例も示すように、障害者への地域リハビリテ-ションの独自性は障害者の地域自立・統合とを目標として行われる個別介助システムや、自立生活能力を高める自立生活訓練、及び自助運動の実施にあると思われた。
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