• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

津軽海峡文化圏域の民俗学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01510186
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 文化人類学
研究機関札幌大学

研究代表者

宮良 高弘  札幌大学, 教養部, 教授 (60073516)

研究期間 (年度) 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワード周辺地域(marginal area) / 生活文化 / 社会構造 / 重層構造 / 異文化 / 文化接触 / 文化複合 / 受容
研究概要

津軽海峡を挟む北海道側と本州側は、いわゆる異文化が相互に接する周辺地域(marginal area)であった。津軽海峡文化圏域を中心に、北方民族およびそれが担う生活文化が本州のどの地域にまで及び、また本州側の母村を異にする人々によって北海道にもたらされた生活文化が津軽海峡を隔てて北海道側のどの地域にまで及び、どのように複合・重層しているかを、機能から逆照射して探るのが本研究の目的であった。この地域は、(1)北方民族と和人が担う異文化が相互に接触する地域であり、遺跡から出土する遺物や、地名、民具などからその共通性が把握されている。アイヌのアトゥシは青森県や岩手北部などで近代まで庶民が着用していた。(2)和人相互の内的接触による文化複合がみられる地域である。人々は、にしんを追い弧を描くように、積丹半島、小樽、留萌、羽幌などへと北上し、遠くは礼文、利尻の両島にまで及んでいる。社会構造や網元を頂点とする労働組織は類似し、衣生活におけるドンジャとよばれる労働着、年中行事の食習では、正月のクジラ汁や一月十五日の女の正月のケの汁などが、荒馬踊りなどの民俗芸能や繁次郎に代表される口承文芸が、対岸の青森県各地と共通している。(3)藩制時代以降に、交易によって上方や北陸地方から受容した生活文化の重層構造の共通性である。下北半島の要のむつ市の田名部神社やその周辺にくり広げられている例大祭、江差町の姥神神社、福島町や乙部町など道南西域一円にみられる例大祭の山車に、京都祇園祭りの流れをくむ上方の生活文化の受容が濃厚にみられる。(4)北海道で用いられているデメン(出面=日雇い)という言葉は、お雇い外国人がもたらしたday's menに由来しているとされ、この造語が青森県地方に及んでいる点も無視できない。青森県の船大工は、北海道のにしん場で修行した者が多く、こうした出稼ぎ人による北海道側からの逆移入は、造船などの技術文化においてもみられる。

報告書

(1件)
  • 1989 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 宮良高弘: "津軽海峡文化圏域の生活文化に関する研究" 札幌大学教養部紀要.

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

URL: 

公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi