全国諸藩における御家騒動の綜合的・体系的研究を目的として調査研究および関係史料の蒐集につとめた。 1.調査研究の実施状況(1)東京地方(国立公文書館・国立史料館)調査 平成元年7月および翌2年2月、主に内閣文庫・史料館を中心に調査を実施。特に内閣文庫には越後騒動・仙石騒動などの記録が多く残されており、今回は越後騒動関係史料の複写を依頼する。(2)東北地方調査 平成元年8月、2回にわたって東北諸藩における御家騒動の調査研究を実施。伊達騒動に関する最近の研究動向や佐竹騒動・松山騒動などの史料を蒐集する。(3)新潟地方調査 甲信越諸藩における御家騒動の状況、その中で特に越後騒動についての史料の蒐集につとめる。また、新発田藩清涼院一件についても史料の検討を実施する。この11月調査では残された課題が多い。(4)四国地方調査 平成元年10月、四国諸藩における騒動を調査。特に生駒騒動・守和島騒動を中心に調査し、史料の蒐集につとめる。(5)九州地方調査 平成元年9月、同2年3月と2回にわたって調査。鹿児島藩における文化・嘉永朋党事件などの史料の蒐集を実施する。 2.研究成果と今後の課題 東北地方調査の成果は大学研究報告に発表する。研究対象が広いために今後も調査研究を継続し、近世初期・中期・後期の各時期毎の御家騒動の内容・性格・特質を究明していく考えである。
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