研究課題/領域番号 |
01510272
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
中国語・中国文学
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
黒須 重彦 大東文化大学, 文学部, 教授 (20129935)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 『楚辞』 / 植物 / 表象性 / 『楚辞』の植物 / 『楚辞』九歌篇 / 植物の文学表象性 |
研究概要 |
植物の表象性に関する研究は、従来ほとんど行われていなかったといっても言い過ぎではない。注釈は、その植物学的、食・薬利用的、出典的解説で終始している。表現の対象を、仮に「事」と「情」とに大別したとき、植物は、多く「情」にかかわるものとして登場しており、それは、別添の「大東文化大学紀要」の注に示す植物の一覧表に如実に現れている。とするなら、その植物の表象性を探求することは、文学作品を理解鑑賞するのに不可欠な作業といわねばならない。 そのような見地から、『楚辞』に登場する植物(約60種)の表象性を考究することをかねてより考えており、今回の研究は、極めて理解困難な、そうして、余りにも異説多く、我々を困惑させる『楚辞』に迫る一つの手段として、良き協力者と共に行われたものである。 今回の研究を通して、更めて『楚辞』の中国文学史上の大きさ、後世文学へ及ぼした影響を思い知られされた。そうして、思いがけず、『楚辞』に登場する植物が、後世どのように使用され、諸作品がそれらの植物の『楚辞』における表象性を根底におきながら、植物の表象性の流れをどのように形成し、どのように変容していったか、それらを自然辿ることになった。つまり、植物の表象性を考究することは、それを通して、一つの文学史を描くことであった、と今思う。 その研究の一応の成果は、別添の「大東文化大学紀要・第29号」抜刷に示す如くであるが、本研究はなお進行中であり、近い将来にその集成を期しているものである。
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