| 研究課題/領域番号 |
01510278
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| 研究種目 |
一般研究(C)
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| 配分区分 | 補助金 |
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| 研究分野 |
英語・英文学
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| 研究機関 | 広島大学 |
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研究代表者 |
伊藤 詔子 広島大学, 総合科学部, 教授 (60071536)
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| 研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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| 研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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| 配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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| キーワード | H.D.Thoreauと予型論的伝統 / ThoreauとDarwin / 『種の起原』と「種子の拡散」 / Thoreauの歴史観 / merican Gothic as AntiーJeremined / ソロウの歴史観 / 『種の起原』と『種の拡散』 / American Gothic as Anti-Jeremiad |
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| 研究概要 |
ソロウ(H.D.Thoreau)の文学に見られる予型論的伝統の継承と変容について、本研究は次の四点を解明した。
1、Walden(1854)出版までのソロウの自然観形成に働いた予型論的思考法を鳥のイメッジをめぐって考察し、「ジャ-ナルから作品へーーソロウの鳥とイギリス・ロマン派」と題する論文にまとめた。特にソロウが、Coleridge、Wordsworth、Keats、Shelleyらイギリス・ロマン派の謳う鳥に新世界固有の予型論的意義を賊与するプロセスを、Waldenの素材となったJournalの鳥の記述を詳細に解明した。
2、Walden出版以降、特に最晩年(1859ー1862)に書かれたJournal及び自然誌ノ-トに表れたソロウの自然観について、予型論(神学)的自然観と科学的自然観の葛藤と和解の内実を考察し、「『種の起原』と「種子の拡散」ーーダ-ウィンとソロウ」と題する論文にまとめた。特に19世紀中葉の科学者のうち、Charles Darwinのソロウへの影響を調査し、『種の起原』とソロウの自然誌ノ-ト、「種子の拡散」(The Dispersion of Seeds)との比較検討により、ソロウがcreationismの自然観を克服し、positivismの自然観に到達してゆくプロセスを解明した。又この論文の書誌的研究を拡充し「charles Darwin,The Origin of Species(1859)のHenry David Thoreauへの影響研究について」と題してまとめた。
3、予型論的思考が形成したNew England Jeremiadと呼ばれる伝統は、18、19世紀の歴史的展開のなかで大きく変容し、フランクリン的American Value賞讃の思潮へと世俗化した。C.B.BrownよりE.A.Poeへと続くAmerican Gothicはかかる思潮へのアンチテ-ゼとして理解できることを「アメリカン・ゴシックの変容ーBrownからPoeへ」で考察した。この研究は予型論継承の振幅を明確化し、ソロウを広く共時的視点から把握せんとしたものである。
4、1859年上記自然誌エッセイ執筆と同時進行したソロウのJohn Brown事件との関わりは、従来内的関連が否定されてきたが、本研究によるとソロウが到達したエコロジカルな歴史観の中で融合され、アメリカ的自然と歴史の新たな関係を樹立した。この点を「「種子の拡散」とソロウの歴史観」と題してまとめ、投稿準備中である。
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