研究課題/領域番号 |
01510283
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
仏語・仏文学
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
寺田 光徳 弘前大学, 人文学部, 助教授 (10155468)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | マラルメ / ホイッスラ- / 印象派 / コロリスム / ボ-ドレ-ル / 美術批評 |
研究概要 |
マラルメは第二帝政期自宅で「火曜会」というサロンを催すことによって当時の詩人、小説家のみならず、画家や音楽家にも多大な影響力を与えていた。彼をとりまく文学者、芸術家はもちろんのこと、彼と比較的疎遠であった者までがその動向を無視できなかったようである。このようにしてマラルメが周辺の人たちを感化すれば、マラルメ自身も彼らから深い感銘を与えられたのも当然のことだと言える。誇張して言えば、学際的て知すなわちフランス第二帝政期のエピステ-メ-の一端を研究するには、マラルメやマラルメ周辺の文学者・芸術家の交流が好個の対象なのである。 本研究はこのようなテクスト相関性の観点からマラルメの著作を検討しようというものであるが、とりわけ彼と交流が深かった画家の中からホイッスラ-を選んでマラルメの美術論とホイッスラ-の絵画に示された美学論に焦点を当てて検討を行った。詳細は「印象派コロリストとしてのホイッスラ- --絵を見るマラルメ(2)--」に譲るが、成果としてあげられる新たな知見は、1.美術批評家としても名高いボ-ドレ-ルが古典派と写実派の識別を行ったに対して、マラルメはさらに写実派と印象派を美術史上に明確に位置づけしたこと、2.曖昧な位置づけしかされなかったホイッスラ-は、マラルメの観点からするなら、すくなくとも前期の作品に関しては、堂々と印象派の一角を占める画家であることなどである。 本研究の助成によってえられた資料をもとに、今後もシャヴァンヌ、マネなどの画家とマラルメとの互いの学際的な影響関係を、さらに第二帝政期全体を眺望にいれて検討を続行するつもりである。
|