• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

『五天竺』と皮影戯『西遊記』-日中民間芸能の比較研究-

研究課題

研究課題/領域番号 01510302
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 文学一般
研究機関富山大学

研究代表者

磯部 彰  富山大学, 人文学部, 助教授 (90143841)

研究期間 (年度) 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1989年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード五天竺 / 西遊記 / カナ文化 / 近松梅枝軒 / 貸本 / 木偶戯《火炎山》
研究概要

日本の『西遊記』の傀儡戯としては,江戸時代末期の『五天竺』が最も古い。『五天竺』は,当時和訳された『通俗西遊記』・『絵本西遊記』初編などに基づいて作られたらしいが,内容は中国の原刊本や日本の通俗訳本とは異なり,編者の佐川藤太・吉田新吾・近松梅枝軒の意向が働き,インドと中国という二大場面が交互に設定され,主人公も玄奘三蔵と孫悟空のほかに,釈迦如来がいる。物語の展開においても,孫悟空の比重を大きくして,物語全体が孫悟空の行動によってまとめられる。
中国にあっては,清代,戯曲・小説以外,人形を使った皮影戯・木偶戯がやはり全土で演じられていた。木偶戯は皮影戯と同類とも言うべき系統の傀儡戯で,『西遊記』を主要な演目の一つとしている。皮影戯の影戯詞(台本)がその伝承を断つ中,木偶戯の台詞は残存し,しかも上演されているので,『五天竺』との比較にはいささか都合がよい。その木偶戯『西遊記』では,泉州木偶劇団の《火炎山》が名高い。木偶戯《火炎山》は,小説『西遊記』などに基づく作品であるが,やはり原作のままではない。しかし,日本の『五天竺』に見られる原本の改作ではなく,人形(木偶)の表演を強調するための改編に力が注がれ,全体の内容は,小説『西遊記』と同じである。おそらく,両国の芸能(傀儡戯)に見られる相違の根本的なものは,それぞれの作品が依拠した小説『西遊記』の受容の幅に拠るものではないか,と思われる。また,中国の皮影戯・木偶戯『西遊記』が上演によって享受されていたことは,カナ文化を持った日本の独自性による,とも考えられる。

報告書

(1件)
  • 1989 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 磯部彰: "『西遊記』研究専者・論文目録" 富山大学人文学部紀要. 16. 102-136 (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 磯部彰: "『五天竺』と皮影戯・木偶戯『西遊記』" (1991)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

URL: 

公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi