研究課題/領域番号 |
01520025
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
民事法学
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
吉野 正三郎 東海大学, 法学部, 教授 (10166986)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 現代型紛争 / 現代型訴訟 / 武器対等原則 / 判例の法源性 / 比較裁判論 |
研究概要 |
アメリカ合衆国、西ドイツ、日本の先進諸国における共通した司法制度課題である裁判による法形成の問題は、とりわけ現代型訴訟と呼ばれる訴訟類型において顕著である。この領域では、紛争はただ単に原告、被告の訴訟当事者にとどまらず、訴訟外の第三者に対しても、一定の波及的効果を及ぼす。この波及的効果は、とくに法秩序の形成に寄与し、立法による法形成とは異なり、判例による法形成を意味する。しかしながら判例による法形成の問題は、判例の法源性、判例の拘束性と相並び古くてかつ新しい問題であるが、その中味については、必ずしも理論的解明がなされていない。とりわけ、裁判官の役割についての考察が欠如している。本研究は、こうした理論における「欠缺」を、アメリカ合衆国、西ドイツ、日本の比較を通して、うめ合わせるべく一つの仮説を提示しようとするものである。成果は、一冊のモノグラフィ-として、出版社より、「民事訴訟における裁判官の役割」と題する本を出版する予定である(本年5月刊行)。また比較研究は、「比較裁判論の試み」と題するモノグラフィ-を用意している。研究助成の中から、4回の研究会を開催し、アメリカ合衆国のバ-ガ-助教授、西ドイツのギレス教授、オランダのブランケンブルク教授、日本の小島教授を呼び、共同研究を行った。その中の第一回の成果は、ジュリスト誌に掲載してある。これらの研究を通して、一定程度の寄与を学会になしえたのではないかと考えている。
|