研究課題/領域番号 |
01530016
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済統計学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森棟 公夫 京都大学, 経済研究所, 教授 (20109078)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1990年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 完全情報最尤法 / 三段階最小2乗法 / 同時方程式モデル / 計量経済学 / FIML推定量 / LIML推定量 / モカテカルロ実験 / 2SLS推定量 |
研究概要 |
同時連立方程式体系における様々な推定方法を比較検討した。特に全体系法(あるいは全システム法)と呼ばれる完全情報最尤推定量(FIML)と3段階最小2乗推定量(3SLS)の性質を中心に分析した。森棟が最近提案した修正3SLS推定量(M3SLS)をも含めて、次の分析を行なった。 1.推定量の分布の漸近展開を導出する。 2.推定量の分布を大型計算機を使ってモンテカルロ・シィミュレ-ション実験によって求める。 森棟はいわゆる単一方程式推定法について1と2の分析を過去の10年間行ったが、全システム法に関して1と2の分析は従来誰も行っていない。分析の手続きはかなり複雑でもある。しかし二年間の研究の結果、1については導出が完了した。2についてもかなりの実験を行ない、一応の結果をまとめることができた。 研究の重要な目的の一つは、FIMLはアルゴリズム的に複雑であるので、FIMLに近い推定量を作り出すことであったが、これは先に述べたM3SLS法で成功した。この推定量はFIMLと同じ分布の漸近展開を(1/T)の項までもち、計算法としても容易である。このM3SLS法に関してもモンテカルロ実験をさまざま行ない、その性質を分析した。結論としては 1.分布の形状を考慮するとM3SLSは3SLSより歪みのないよい推定量である。 2.しかし推定量のモ-メントを求めると、異常に大きい値が示されることがあり、モ-メントの不存在が暗示されている。 という事が分かった。この推定量については一層の研究が必要である。
|