研究課題/領域番号 |
01530042
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
高木 正道 静岡大学, 教養部, 助教授 (70017557)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | シンフト / アムト / ギルド / 同職組合 / 兄弟団 / 職人組合 / メクレンブルク / 都市 |
研究概要 |
本研究の目的は、16世紀初頭ドイツの一連邦メクレンブルクにおける33の内陸都市を対象として、都市の市政や慣習、とりわけ同職組合と兄弟団の関係を考察することにある。 当時のメクレンブルク公の秘書ヨ-ハン・モニックが1514年に同領邦内の諸都市を巡察して作成した詳細な報告書を史料として用い、まず数量的な面からアプロ-チし、各都市ごとの市参事会員数、同職組合と兄弟団の種類とその所属人数を明らかにした。 次に、都市の市政や風俗および同職組合と兄弟団の慣習や権利に関するモニックの内容的な記述に基づいて、各都市の社会経済的特徴、同職組合と兄弟団の関係、市参事会にたいする両者の関係、冠婚葬祭に係わる市民の風俗などを明らかにした。 さらに、ドイツの学会でも依然として議論が続いている「アムト」、「ヴェルク」、「ギルド」、「ブル-ダ-シャフト」(兄弟団)といった言葉の意味に関して、それらがこの地方において当時どのよう意味で用いられていたかをほぼ確定することができた。 また、考察の対象となった都市はいずれも小規模なものであるが、ここでもいくつかの職業においては、同職組合としてのアムトとは別に、独自の「職人組合」が形成されていることをも示すことができた。 この研究のなかで、都市と農村との関係についても少しは触れているが、この点を解明することが今後の課題である。特に都市の慣習や風俗が農村に及ぼした影響という問題は、この時代の民衆(市民と農民)の日常的な生活を考えるうえで、重要な論点になると思われる。
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