初年度は主として、国の内外の文献読みつつ問題の理論的な側面を整理した。2年度に入り、同じように文献を通じ理論的フレ-ムを固める努力のほかに制度ならびに実態面での分析も行った、かくして上記のテ-マを理論的かつ実証的にある程度明確にしえたように思う。2カ年の成果は、次のようにまとめられる 1.国際課税の理論的な側面を体系化しえた。とりわけ国際課税における二重課税調整国際間の課税ベ-スの配分、など一般的なフレ-ムの中で論点を明確にしえた。 2.国際間の海外投資級動を関連して分析した.特に日米間の税率のギャップは海外投資移動とある程度の関係もつことが分る。 3.移転価格税制タックス・ヘイブンとその対系税制の制度面を国際的に比較した。この点、日本の制度がおくれているだけに、他の先進国の経験から学ぶことは多い。 4.1992年のEC統合にむけ税制の調和ータックス・ハ-モナイゼイションの動向も看過しえない。この実態面もある程度、明らかにした。 5.タックス・ヘイブン国の実態、とりわけ中南米を中心に分析を試みた。
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