研究課題/領域番号 |
01530061
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
商学・経営学
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研究機関 | 東京商船大学 |
研究代表者 |
織田 政夫 東京商船大学, 商船学部, 教授 (80016922)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 内航船員問題 / 内航労働条件 / 内航労働市場 / 内航海運のカルテル / 内航海運 / 内航労働環境 |
研究概要 |
実態調査の結果、内航船員の賃金水準、それに労働時間・休暇日数等の労働条件が、組織船員・未組織船員ともに、陸上産業の一般労働者のそれらよりも少なからず見劣りする状況にあり、外航船員の転職先としては、内航船はほとんど魅力ないものになっていることが判明した。この労働条件と職場環境の格差のため、内航海運は当初考えていた以上に深刻な求人難と船員不足状態にある。 この主要な原因の一つに、「元請輸送制度」による元請・下請の取引構造がタテ割りの主従関係を作り出し、下請運送業者が元請業者に対し対等の立場で取引交渉ができないことが指摘される。しかも、問題なのは、荷主と元請運送契約を結ぶ立場にある元請業者が荷主の子会社であるか、さもなくば年間取扱数量の大部分を特定の荷主に依存している業者がほとんどであるという点である。このため、元請運送契約を結ぶに当たって荷主の立場は非常に強く、極端に船腹の需給が逼迫している例外的なとき以外は、ことごとく荷主の要求が通り、内航海運業者の要求は最小限に抑えられている。 このまま推移すれば、内航海運は船員不足による運航停止の事態を生じるのは時間の問題と思われる。したがって、個別企業単位で必死の改善努力が行なわれていることはもとより、内航海運業界の各海運組合および労使団体、それに行政側も問題の解決のために懸命に取り組んでいる。しかし、目立った効果を見込める対策がまだ見出されていない。ことの重大さを認識して、荷主業界の理解と協力を得て内航貨物運賃を大幅に引き上げることによって内航船員の労働条件等の改善のための原資を確保するとともに、これを補完するかたちの効果的な行政措置を導入する以外に、内航船員問題の早急かつ目立った緩和は望めない。
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