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三公社の解体と民営化の過程に関する財務論的分析

研究課題

研究課題/領域番号 01530062
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 商学・経営学
研究機関一橋大学

研究代表者

矢島 基臣  一橋大学, 商学部, 教授 (10007388)

研究期間 (年度) 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード財政再建 / 三公社の解体と民営化 / NTT、JR、日本たばこ産業の誕生 / 創業者利得の確保 / 特例債(いわゆる赤字国債)の償却 / 旧国鉄の六分割 / 清算事業団 / 三島基金の創設と債務の償還
研究概要

電電公社を解体させてNTTを誕生させ、創立時の株主となった政府は、株式の時価がその額面を越えることから発生するいわゆる創業者利得を一手に入手できる可能性を手中に収めえたと考えられる。この利得の入手は、いわゆる特例債の償却に対してきわめて効果的であったといわねばならない。
この間の事情は、JR各社の誕生や「日本たばこ作業」の創設の場合にも同様である。「たばこ産業」の場合、旧公社が各地に保有していた土地のいわゆる含み益が創業者利得の主要部分のひとつと考えられる。旧国鉄の場合・事情はやや複雑であるが、技術的にみた場合、たとえば旅客の効率的な輸送しという観点からみた場合必ずしもベストとはいいえない六分割という経営形態の採用が決断された理由としてわれわれは、その収益獲得力のうえで高いとはいえない北海道、四国、九州のJR各種をひとつの企業の経営のもとに包括させてその株式の売却によって創業者利得を入手するよりも、その収益獲得力の比較的高いことの予想されるJR東日本、JR西日本およびJR東海の三社をこれから分離させ、それぞれの株式の売却によって創業者利得の入手を図ることの方がより効果的であるとする一種の戦略的判断の働いていたことを否定できないであろう。
この場合、われわれは、六分割の過程において、経営安定のための基金としていわゆる三島基金が創設されているという事実を重要視したい。この基金は、さして遠くない未来の時期に清算事業団の手に収められるに違いない創業者利得を先走って還元させるという意味をもつものと考えられ、三島側からみれば、これは新しい利益獲得の可能性の創出であり、それだけ資本費水準を低めて資本の継続的供給の可能性を高める意味をもつと考えられる。この意味で、三島基金の創設という決断は、民営化を成功させるうえでの重要な礎石をなすものと考えられる。

報告書

(1件)
  • 1989 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 矢島基臣: "三公社の解体と民営化の過程に関する財務論的分析-JRの問題から出発して-" 情報研究(文教大学情報学部刊). 12巻. 30 (1991)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

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公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

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