研究課題/領域番号 |
01530073
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
商学・経営学
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研究機関 | 熊本商科大学 |
研究代表者 |
古田 龍助 熊本商科大学, 商学部, 助教授 (00190158)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 下位企業 / 産業ライフサイクル / 長期戦略 / 集中戦略 / 製品戦略 / 企業成果 / 日本企業 / 生産財製造企業 / 小規模企業 / 競争戦略 / 下位企業の戦略 / 製品@市場ミックス / 新製品の導入・育成 |
研究概要 |
本研究の目的は、小規模な企業が長期にわたり高い業績を維持するにはどのような戦略を採ればいいか、という問題に対して経験的な解答を与えることであった。一般に「小企業規模な企業」と言えば中小企業ということになるが、デ-タ入手可能性の問題から、本研究では上場企業のうち最小クラスの会社を主たる研究対象とした。2年間にわたる調査研究から得られた知見を要約すると以下のようである。 まず、「下位企業は高収益性を維持しながらライフサイクルを乗り切るために、立ち上げ期:成長期と成熟・衰退期でそれぞれ異なる製品系列の方針を採用する」という本研究の基本仮説は、少なくとも下位の上場生産財メ-カ-の場合には、当てはまりそうにないことがわかった。すなわち、高業績の下位上場生産財メ-カ-は、産業ライフサイクルの進展にもかかわらず、製品構成を大きく変化させることなく高業績を維持する傾向を見せたのである。鉄鋼・化学といった典型的な成熟産業ですら、これらの企業は全体として市場成長をはるかに上回って成長している。この事実が何を意味するかと言えば、それは競争相手のシェアを奪うことによる成長しか考えられないだろう。経営比率分析の結果もまた、全般的に言って、成長産業によりも停滞産業における方が高業績の下位企業はよりコスト削減努力をしていることを示唆している。したがって、停滞産業における高業績の下位生産財メ-カ-は、コスト競争力を武器に競争相手のシェアを奪いながら高い成長性と収益性を持続させている、という推論が成り立つ。実際に企業訪問をしてみると、このような企業努力を目の当りにすることができる。高業績の下位上場生産財メ-カ-に共通して言えるのは、(1)得意技術の周辺から決して外れない製品展開、(2)世界一流の企業を取引先として持つ、(3)基礎研究ではなく応用研究の積み重ねによる新製品開発がが特徴的だということであった。
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