研究概要 |
ベクトル束の間のK-morphismと可微分多様体の間のK-mersionとの関係は既に得られており、その系として、ベクトル束の間の線形全射と沈め込み(submersion)の関係は次のようになる。可微分多様体の間の連続写像f:M→Nに対し、ベクトル束の安定類^τM-f^*^τNの分類写像M→BOのBO(dimM-dimN)へのliftのホモトピ-集合〔M,BO(dimM-dimN),t_M-f^*tN〕上に群Π_1(N^M,f)が作用し、その商集合と、fとホモト-プな沈め込みの正則ホモトピ-集合とが、もしMが開多様なら、1対1に対応する。 上のliftのホモトピ-集合については、これを決定する方法があり、更に群Π_1(N^M,f)もこれを決定する方法があり、これら2つが共に計算できる例は多い。しかしΠ_1(N^M,f)-作用を決定するのは難しく、多くの結果は得られなかったが、M=RP^m-RP^<k-1>,N=RP^n(k≧n)の場合はΠ_1(N^M,f)-作用が完全に決定でき、従って沈め込みの存在とその正則ホモトピ-分類は解決できた。これは学会で発表し、プレプリントを作成した。M=CP^m-CP^<k-1>,N=CP^nの場合、M=L^<rn>(P)-L^<k-1>(P),N=L^n(P)の場合(k≧n)はより簡単に調べることができる。 Π_1(N^M,f)-作用の考察は沈め込みの研究に有効であるのみならず、双対の関係にあるはめ込み(immersion)の研究にも有効なので、もう少し続ける価値があると思う。 以上位相幾何の側から述べてきたが、微分幾何における沈め込みに関しては新しい結果は得られなかった。
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