研究課題/領域番号 |
01540039
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代数学・幾何学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
丸山 正樹 京都大学, 理学部, 助教授 (50025459)
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研究分担者 |
西田 吾郎 京都大学, 理学部, 助教授 (00027377)
平井 武 京都大学, 理学部, 教授 (70025310)
土方 弘明 京都大学, 理学部, 教授 (00025298)
上野 健爾 京都大学, 理学部, 教授 (40011655)
永田 雅宜 京都大学, 理学部, 教授 (00025230)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1989年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ベクトル束 / モデュライ / コンパクト化 / conformal field theory |
研究概要 |
ベクトル束のモデュライの構造の研究と、それの応用が中心テ-マであった。複素射影空間P_3は4次元球面上のtwistor spaceの構造を持っている。P_3上の階数2の安定ベクトル束で、ある種の実構造を持ち、twistor spaceのファイバ-の上で自明になるものは4次元球面上の自己双対SU(2)-接続と同一視される。従って、4次元球面上のPontrjagin数nの自己双対SU(2)-接続のモデュライI(n)は、P_3上の階数2の安定ベクトル束のモデュライM^-(n)の実部のある開集合と一致する。この見地からI(n)のコンパクト化を研究した。普遍拡大という概念を導入して、Donaldsonが微分幾何学的に構成したコンパクト化に代数幾何学的な意味付けを与えることに成功した。この解釈からDonaldsonのコンパクト化が半代数的集合になっていることが分かる。一方、I(n)のM(n)内での閉包I(n)の研究も相当な進展を見せた。I(n)はDonaldsonのコンパクト化より大きく、その境界は遙かに複雑である。我々は比較的分かり易いもので、境界に入っていると思われるものが確かに境界の元であることを示した。この研究には、代数幾何学だけでなく、位相幾何学、微分幾何学、解析学の専門家の援助が重要であった。 一般の代数多様体の上のベクトル束のモデュライの研究については、parabolic構造を持ったベクトル束の概念の一般化に成功し、そのモデュライの構成を当面の目標にして研究を進めている。モデュライが構成できれば、種々のモデュライの新しいコンパクト化を得ることができ、標準的なコンパクト化の意味のある非特異化に応用できるはずである。 ベクトル束のモデュライ理論のconformal field theoryへの応用も試みられた。リ-マン面上のベクトル束にいくつかの点でのinfinitesimal構造を加味したもののモデュライで、Seshadriが構成したものが有望な道具になると思われる。
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