いままでは、余次元0の場合にのみ考えられてきたm-fullイデアルを一般の余次元にに拡張し、さらにそのsyzygyを全て決定することに成功した。また、Groebner基底の理論を使って、多項式環における斉次イデアルのBetti数をbest possibleの値として求めることが出来た。これを、数理解析研究所で口頭発表し、さらに論文にして、イギリスの専門誌に投稿した。ここで得た新しい概念で重要なものは「linear syzygy」である。generic variableに関するGroebner基底の「head term」が「Borel stable」になることを、数人の研究者が証明している。実は「Borel stable」なら「m-full」だがその逆は成り立たない。その違いが何かというと、結局「linear syzygy」の個数の違いになる。一方、Borel stableイデアルがRees性をもつことは簡単に分かるから、「linear syzygy」を考えることで、長年の目標だった、イデアルのRees性とm-full性との関連の解明が出来ると確信出来る。今後の研究方針としては「linear syzygy」の個数を数える方法を開発することになるだろう。特に「linear syzygy」を一般元でreductionした時syzygyがどのように振る舞うかをみる必要がある。
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