研究分担者 |
岩崎 克則 東京大学, 理学部, 助手 (00176538)
戸瀬 信之 東京大学, 理学部, 助手 (00183492)
山崎 昌男 東京大学, 理学部, 助手 (20174659)
大島 利雄 東京大学, 理学部, 教授 (50011721)
小松 彦三郎 東京大学, 理学部, 教授 (40011473)
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研究概要 |
1.片岡は解析的線形微分方程式に対する混合問題に関する片岡-戸瀬による従来の理論をさらに発展させフランスのLebeauやSjo^¨strandらの回析波の伝播に関する重要な定理に幾何学的な別証を与えることに成功した。この証明によればさらに結果が退化した場合へも自然に拡張される。またそれと関連した第2超局所特異性理論の分野で片岡・戸瀬・岡田はより自然な第2マイクロ函数の理論を構成し,いくつかの基本的性質を導いた。小松はこれらの理論の基礎である佐藤の超函数とミクロ函数を調和函数を用いて新しく定義しなおし,ジュヴレイ族の正則性あるいは特異性をもつ函数及び超函数を超局所解析の立場から特徴付けた。大島はこれらの理論の表現論への応用として,関口と共同で半単純対称空間の普遍被覆空間に対するC-函数を具体的に計算することに成功し,線型とは限らない半単純リ-群の作用する半単純対称空間の場合にもPlancherelの公式が具体的に書けることを明らかにした。 2.岩崎は複素微分方程式に関する研究の中で,任意種数の閉リ-マン面上のフックス型射影接続のモジュライ空間を構成し,その解析空間あるいは複素多様体としての構造を研究した。更に,モジュライ空間上のモノドロミ-保存変形をポアソン幾何の観点から研究した。 3.山崎は超局所エネルギ-法を道具として分散を含む発展方程式の解の時間発展について研究した。まずポテンシャルが有界であるような2階の線型方程式について,初期値のある角領域での減衰から時間発展した後の解の超局所特異性が従うことを示した。また,非有界なポテンシャルを持つような方程式に上の結果を拡張するための準備として,楕円型でない発展作用素を持つ発展方程式がソボレフ空間上適切になるための十分条件を得た。
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