研究課題/領域番号 |
01540112
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
一ノ瀬 孝 金沢大学, 理学部, 教授 (20024044)
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研究分担者 |
杉山 健一 金沢大学, 理学部, 助手 (90206441)
藤本 担孝 金沢大学, 理学部, 教授 (60023595)
松村 昭孝 金沢大学, 理学部, 助教授 (60115938)
林田 和也 金沢大学, 理学部, 教授 (70023588)
田村 博志 金沢大学, 理学部, 助手 (80188440)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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キーワード | 経路(経路)積分 / ファインマン経路積分 / 相対論的ハミルトニアン / 非線型電磁場 / 場の量子論 / 非線型偏微分方程式 / ガウス写像 |
研究概要 |
Feynman 経路積分は、量子物理学より出ずる問題であるが、近年、偏微分方程式論、確率論、多様体上の幾何学に重要な新しい視点をあたえている。本研究の成果は、次の4つの部分からなる。 1.一瀬は、論文〔Ann.Inst.H.Poincare〕において、電磁ポテンシャルが必ずしも滑らかでないときに、相対論的 Weyl 量子化ハミルトニアンを定義し、加藤の不等式を確立することにより、その本質的自己共役性を証明した。これは、電磁ポテンシャルが滑らかで有界のとき、一瀬-田村〔Commun.Math.Phys.105(1986)〕で与えたこのハミルトニアンに対する半群の経路積分表示から、予想されていたことであった。論文(Feynman path integral to R.Q.M.)は、加藤敏夫教授(カリホルニア大学バ-クレイ校)を讃える国際会議(於東京大学)での一瀬の講演を発展させたサ-ベイである。 2.田村博志は、AlbeverioとHφegh-krohnによる非線型電磁場の量子論において、Wilson ル-プの期待値が面積則に準ずる性質を持つことを証明し、この理論が電荷を閉じ込めるモデルであることを示した。ただ鏡映正値性は満たしていないが、興味深いことである。 3.林田和也は、論文〔Proc.AMS〕において、多孔質媒質の方程式の解の滑らかさを示した。松村昭孝は、論文〔Lect.Notes Num.Appl.Anal.〕において、1次元圧縮性粘性流体を記述する非線型偏微分方程式の解の漸近挙動を考察し、吸収集合やアトラクタ-の存在を証明した。 4.藤本担孝は、論文〔J.Diff.Geometry〕において、m次元ユ-クリッド空間内の完備極小曲面のGauss写像Gが非退化なとき、Gの像がm-1次元複素多様体のm(m+1)/2個より多くの一般の位置にある超平面を除外することはあり得ないこと、及び、奇数のmのときこの結果が最良であることを証明した。杉山健一も複素多様体の研究を進めた。
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