研究分担者 |
下村 克巳 鳥取大学, 教育学部, 講師 (30206247)
小島 政利 鳥取大学, 教養部, 教授 (90032317)
熊原 啓作 鳥取大学, 教養部, 教授 (60029486)
和泉澤 正隆 鳥取大学, 教育学部, 助教授 (50108445)
赤井 逸 鳥取大学, 教養部, 教授 (70032274)
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研究概要 |
n個の実変数の複素数値関数の集合をMap(R^n,C)と表す。R^+={y【element】R;y>0}、F={(0,y);y【element】R^+}としてFを含む超フィルタ-(ultrafilter)の一つをFとする。KをRまたはCまたはMap(R^n,C)としΠ__<(y_1,…,y_n)【element】R^+×…×R^+>K/F^n=^<(n*)>Kと定義する。^<(n*)>Rの元[x(y_1,…,y_n)]を超実数(hyper real number)という。このとき RC^<(n*)>Rが成立する。x(y_1,…,y_n)はR^+×…×R^+で定義される実数値関数である。超関数論(theory of hyperfunctins)の研究者が楔と呼んでいる領域R+iR^+×…×R^+は超凖解析(nonstandard a nalysis)の観点で見ると超実数の集合である。楔R^n+iR^+×…×R^+で定義される正則関数によって超関数が定まる。このことは超関数と一般関数(generalized function,^<(n*)>Map(R^n,Cの元)関連を示している。 すでに述べたように超実数はR^+×…×R^+で定義される実数値関数x(y_1,…y_n)の同値類である。したがって超実数は曲面的構造をもつものと考えられる。すなわち実数は点と考えられるのに対して超実数は構造をもちその構造は曲面的であるということができる。これは重要な成果といえよう。 次に超関数と一般関数の関連を示す例をあげる。 超関数1/((X_1+i0))×…(x1)/((x_n+i0))は領域R^n+iR^+×…×R^+で定義される正則関数1/(Z_1)×…×1/(Z_N)の境界値と考えられる。これを一般関数の観点で見ると次のようになる。[1/((x_1+iy_1))×…×1/((x_n+iy_n))]=[((x_1-iy_1))/((x^2_1+y^2_1])×…×[((x_n-iy_n))/((x^2_n+y^2_n]) Diracのデルタ関数δ(x)は超関数論では δ(x)=δ(x_1)…δ(x_n)=Π^^n__<j-1>1/((-2πi))(1/((xj+io))-1/((xj-io)))=1/((-2πi)^n)×(Σ__α(sgma))/((x_1+iα_10)…(x_n+iα_n)) これを超凖解析の立場で見ると次のようになる。 [δ(x_1,…x_n,y_1,…,y_n)]=Π^^n__<j=1>1/((-2πi))(1/((Xj+iyj))-1/((xj-iyj)))=1/(π^n)Π^^n__<j=1>(yj)/((x^2_j+y^2_j)) これらの例は超関数論と一般関数論を関連させた研究の有効性を示唆しているものといえよう。今後この方向で研究を進めたいと考える。
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