研究課題/領域番号 |
01540147
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
河野 實彦 熊本大学, 理学部, 教授 (30027370)
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研究分担者 |
佐々木 武 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00022682)
原岡 喜重 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (30208665)
吉田 清 熊本大学, 理学部, 助教授 (80033893)
梅村 浩 熊本大学, 理学部, 教授 (40022678)
前橋 敏之 熊本大学, 理学部, 教授 (90032804)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 大域的問題 / モノドロミ-群 / スト-クス現象 / 近接関係 / 超幾何関数 / 数式処理 |
研究概要 |
当研究課題の目的は、複素領域における線型微分方程式系や完全積分可能な偏微分方程式系に対する大域的問題、例えば、局所解間の関係を解析する接続問題、解の漸近挙動に現れるスト-クス現象、またモノドロミ-群を求めるアルゴリズムの開発及びモノドロミ-群と微分方程式の既約性、可解性の問題、パラメ-タに依存する解間の近接関係の解明等の研究を中心に、関数解析学、幾何学、代数学等の側面から、また計算機による数式処理等を通して、微分方程式の解の構造を多岐にわたり解明することであった。この目的達成のため、代表者周辺の研究者が互いに協力し合い、少なからぬ進展を見ることが出来た。 河野はモノドロミ-群の研究とのからみから、単独微分方程式を微分方程式系に変換するアルゴリズムを研究、複雑な計算を数式処理に委ねるシステムの開発に努めた。また、シュレジンジャ-標準形への変換アルゴリズムや4階以上の微分方程式のモノドロミ-群の導出の指導をした。原岡は完全積分可能な偏微分方程式系のスト-クス現象の解明につながる多変数関数の漸近理論の開発に努め、多変数ジフレイ関数に対する渋谷-マルグランジュ型定理を証明した。佐々木は幾何学的側面、特に変換群論を駆使し、古典的超幾何関数の拡張に努め、アッペル超幾何関数を含む青本-ゲルファンド超幾何微分方程式に対する近接関係を解明した。また吉田は、関数解析学的手法により、非線型偏微分方程式の正値解の構造を解明した。研究遂行にあたっては、梅村には代数的側面から、また前橋には幾何学的側面からの協力を求めた。 本科学研究費補助金の交付によって、十分とは言えないまでも、ある程度数学、特に微分方程式論の進展に貢献できた事を感謝する。
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