研究課題/領域番号 |
01540171
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小谷 眞一 東京大学, 理学部, 教授 (10025463)
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研究分担者 |
長田 博文 東京大学, 理学部, 助教授 (20177207)
俣野 博 東京大学, 理学部, 助教授 (40126165)
増田 久彌 東京大学, 理学部, 教授 (10090523)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 準周期的ポテンシャル / アンダ-ソン局在 / フラクタル |
研究概要 |
(1)不規則媒質中の量子力学的粒子の運動の数学的研究は20年になるが、現在の世界の動向は一次元系で準周期的なポテンシャルの中を運動する粒子の大域的な挙動の研究が中心である。ポテンシャルが滑らかな場合にはソ連のシナイ、チュラエフスキ-、米国のスペンサ-、ウィットワ-等により詳細な解析が行なわれ,ポテンシャルの強度を示すパラメ-タ-の増減により局在から非局在に状態が転移することが証明された。他の重要な場合であるポテンシャルが有限個の値しかとらない場合は今まで特殊な場合が写像の繰り返しと関連して研究されてきたが、小谷は一般の有限値ポテンシャルの場合、周期的な場合以外はスペクトルに絶対連続部分がないことを示した。これは今までの研究の最終的結果とも言えるものである。 (2)不規則媒質中のランダムウォ-クの研究は数学者は15年前から興味をもってきた。特に一次元の場合は詳しく研究され、1980年のシナイの決定的な仕事以来多くの関連する研究がソ連、日本を中心に現れた。小谷はこれらの研究を見直し方法的に別の手段を使い、ランダムウォ-クの最大値の極限定理を得た。さらに多次元の場合は未だ本質的な進展はないが最近小谷は一般のランダムウォ-クを単純ランダムウォ-クの道積分で表現することにより、多次元の問題を単純ウォ-クの多重点の問題に帰着できることを発見し現在その方向で研究中である。 (3)フラクタル上の拡散過程の研究は(2)と同じ視点をもつ研究である。長田はシ-ルピンスキ-カ-ペット上のブラウン運動のスペクトル次元の評価をこのフラクタルの等周次元を計算することにより与え、この方向の研究を大きく前進させた。
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