研究概要 |
本年度の研究はほぼ当初の計画に沿って行われ,以下のように多くの成果を得ることができた。 1.HXT光学系のグリッド部を構成する多くの精密加工部品に対して,拡大投影器による精密寸法測定,光の透過率測定,レ-ザ-回折法による評価などを行った。これにより部品の寸法精度を確かめるとともに,良品の選び出しが行なわれた。 2.上で選別された良品を用いて,2枚のグリッド・アセンブリ(GRA)を約20μmの寸法精度で組み上げた.これらのGRAを可視光およびX約を用いて詳しく検査し,各グリッド素子の有効開口率などを求めた。 3.2枚のGRA相互の幾何光学的な関係を精度よく確立するため,光モアレパタ-ンの高精度測定,X線モアレ撮像,擬似平行X線ビ-ムによる精密較正試験などを行った.これによりHXT光学系の応答特性が,約1%の精度で決定できた。 4.完成した2枚のGRAをCFRP製の鏡筒に取り付け,約30μmの精度でアラインメントを行うとともに,X線光学部と姿勢計用の可視光学部との光軸合わせを行った。 5.HXT光学系の全系に対して振動・衝撃試験を行い,破損や寸法の狂いが生じないことを確かめた。 以上の作業により,目的どおりHXTの光学系を良い信頼度で組み上げるとともに,十分な精度で較正することができた。これはHXT計画にとって不可欠のステップであり,ここに本研究はその使命を達成することができたと言える。
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