研究課題/領域番号 |
01540220
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
観山 正見 国立天文台, 理論天文学研究系, 助教授 (00166191)
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研究分担者 |
関谷 実 帝京大学, 理工学部, 講師 (60202420)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 差動回転系 / シア不安定性 / 非線型現象 / アクリ-ションディスク / 弱非線型理論 / シアス安定性 / 流体シミュレ-ション |
研究概要 |
宇宙現象においては、シア流(速度勾配が流れの垂直方向に存在する流れ)が存在する場合がしばしばある。中性子星やブラックホ-ル回りの降着円盤にみられる差動回転ディスクや、電波銀河ジェットや分子双極流とそれを取り囲むガスとの接触域で見られる流れがそれにあたる。流体力学的には、これらのシア流では不安定性が存在して、系は乱流状態になる場合があることが知られている。しかし、天体物理学においては、これらの不安定性の成長過程はまだよくわかっていない。従って本申請研究では、この様にシア流の存在する天体で、それに起因する不安定性が非線型成長する過程を解析し解明することを目的とした。 そこで我々は、シア流が存在する典型的例として、差動回転系の非線型成長過程に着目して、今年度は弱非線型性理論による解析を進め、その成果をまとめることに研究を集中した。弱非線型理論は、不安定性が発生する限界近くで、線形不安定性の成長率が小さい場合に適用可能な近似的方法であるが、非線型過程を解析的に扱えることから流体力学ではよく使われる方法である。我々は、この手法を差動回転系のシア流に伴う不安定性にはじめて適用した。最初の試みであるので、非圧縮性で単位質量あたりの角運動量が一定の簡単なモデルにおいて解析を実行した。この結果、線形不安定性は非線型性のため成長が抑制されて、系は新しい定常状態の回りを振動する振る舞いが結果として得られた。この結果は、依然数値シミュレ-ションによっても得られている結果をよく説明する。この新しい定常状態回りの振動は、有限振幅の波動の誘起を意味するもので、この波によって角運動量輸送が起こり系の進化のメカニズムを与えるものとして注目している。 弱非線型理論の結果を論文誌に投稿予定である。また費用の大部分は2年間の研究の成果報告書印刷費に当てた。
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