研究課題/領域番号 |
01540239
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂東 弘治 東京大学, 原子核研究所, 教授 (20025357)
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研究分担者 |
元場 俊雄 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (90121863)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | ハイパ-原子核 / 偏曲ハイパ-核生成 / スピン反転 / (π^+,K^+)反応 / (K^-,π^-)反応 / π中間子的崩壊 / 高エネルギ-重イオン核反応 / ストレンジネス |
研究概要 |
まず偏極ハイパ-核の生成に関しては、スピン反転成分をも含めた素過程の一般的取扱から出発して、(Π^+、K^+)反応の理論的取扱方法に対して新しい定式化を行った。これにより,従来の近似的取扱を質的に改良し、ハイパ-核生成の反応断面積のほかにスピン偏極の程度をも理論的に算定可能にした。その結果、数種類の標的原子核を例とした(Π^+、K^+)反応において、生成確率と偏極度がともに大きくなる状態がいくつか存在し得ることを示した。また、0.9〜1.5GeV/cの大きな入射運動量の(K^-、Π^-)反応においても、同様の生成条件が得られることを定量的に予測した。これにより、ハイパ-核のスピン同定や偏極ハイパ-核の弱相互作用による崩壊の角分布など、分光学上の重要な実験情報が得られる可能性を指摘した。 ハイパ-核のπ中間子的崩壊については、採用する工学ポテンシャルに矛盾なく対応した繰り込みを導入する必要性を指摘して再定式を行い、その繰り込み効果はπ中間子波の歪曲による効果はπ中間子波の歪曲による効果を抑えて結果を安定化させる役割を果たすことを示した。その上で、広い範囲のハイパ-核のπ中間子的崩壊確率を計算し、質量数100〜200の重い系でも1%程度の分岐比を有することを予測した。これらの他には、相対論的高エネルギ-原子核の衝突により、ハイパ-核やH粒子やK中間子原子などストレンジネスを含む系の生成確率を、主としてコアレッセンス模型に基づいて理論的に算出し意義を論じた。特に、どのようなハイパ-核が、いかなる確率で生成されるかについての理論的予測の一部は、ドブナ連合原子核研究所の最新デ-タと良く一致していることがわかった。以上、全体としてストレンジネスに関連した広範な理論的提起をし、また近未来のハイパ-核実の多様な可能性を議論した。
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