研究課題/領域番号 |
01540266
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森垣 和夫 東京大学, 物性研究所, 教授 (60013471)
|
研究分担者 |
近藤 道雄 東京大学物性研究所, 助手 (30195911)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1990年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1989年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | バンド端変調 / アモルファス半導体 / 量子サイズ効果 / 量子化構造 / バンド端変調構造膜 / 人工物質 |
研究概要 |
バンド端変調半導体は、アモルファス物質の特微を生かして作られた人工物質で、aーSilーxNx:HでNの組成比xを空間的にほぼ正弦波的に変調させることにより、本研究室で世界で初めて作られた新物質である。この物質では、バンド端がほぼ正弦波的に変調され、その変調振幅の大きい場合には、光励起で生成された電子と正孔は、それぞれ変調ポテンシャルの極小点と極大点近傍にあり、変調方向(z方向)には近似的に調和振動子ポテンシャルを受けると考えられる。そのために、エネルギ-のz成分は、このポテンシャルによって量子化される。このような量子化準位の位置は、変調周期長に関係し、それによって電子的性質には量子サイズ効果が現れる。光吸収スペクトルから測定される光学ギャップエネルギ-は、伝導帯の第一量子化準位と価電子帯の第一量子化準位のエネルギ-間隔にほぼ対応し、そのために周期長が短くなると光学ギャップエネルギ-は増大する。このような結果が、実際の変調構造膜で観測された。変調構造膜の光誘起吸収スペクトルは、自己束縛正孔中心の準位から価電子帯への正孔励起に対応している。価電子帯が量子化される為に、そのようなスペクトルに量子化構造が現れることが期持される。このような量子化構造が周期長100A^^0、67A^^0の変調構造膜で観測された。このような変調構造膜のルミネッセンスも、周期長30A^^0ー290A^^0に対して観測され、バルク膜では観測されないホットルミネッセンスが観測された。このように変調構造膜は、量子化構造の出現や量子サイズ効果によって、量子デバイスの新材料として、応用に対しても期持される物質である。
|