研究概要 |
1)一部本科学研究費補助金を利用して設置した超伝導磁石を組み込んだ中性子回折システムについて、本部局(京都大学原子炉実験所)に設置されているその他の中性子散乱設備と併せて、それらの設備の有用性を明らかにした(日本物理学会誌、46巻、1991年に公表)。 2)イジングスピン系と考えられるTbRu_2Si_2について高磁場下で中性子回折を測定し、メタ磁性相の構造を確定すると共に、この相の二次元的長周期構造の安定性をwaveーlike molecular fieldモデルで論じた(第26回京大原子炉学術講演会、1992年、2月にて公表)。 3)さらに、TbRu_2Si_2において臨界磁場の温度依存性を測定し、温度ー磁場で表される磁気状態図を確定した(中性子散乱国際会議、ICNS'91,Oxford,UK(1991)にて公表)。 4)同じくイジングスピン系と考えられるDyRu_2Si_2についても、高磁場下中性子回折により、温度ー磁場で表される磁気状態図を決定した(日本物理学会1991年春の公科会にて公表)。 5)イジングスピン系と考えられるPrCo_2Si_2、NdCo_2Si_2の一次元的長周期構造や高磁場下でのメタ磁性相の構造と磁化を希土類金属Ho、Erに見られるspin slipモデルで考察した(磁気国際会議、ICM'91,Edinburgh,UK(1991)にて公表)。 6)三角格子スピン系RbMnBr_3の高磁場下中性子回折の測定から、磁場誘起磁気相転移により、不整合相から他の不整合相へ移ることを示した(磁気国際会議、ICM'91,Edinburgh,UK(1991)にて公表)。
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