研究課題/領域番号 |
01540282
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
栗山 一男 法政大学, 工学部, 教授 (20125082)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 直接遷移型バンド構造 / ワイドギャップ化合物半導体 / リチウム三元化合物 / フォトルミネッセンス / 不純物準位 / 多結晶薄膜 |
研究概要 |
擬閃亜鉛鉱型構造(ZnP)^ーへ軽元素Li^+が規則的に挿入されたLiZnPをとりあげる。フォトルミネッセンス(PL)測定により、848nmの2つの発光を有するAタイプと830nm付近のブロ-ドな発光を有するBタイプが観則された。タイプAの615nm(2.02eV)発光は、n型LiZnPのドナ-準位が伝導帯の下端から約110meVに位置し(抵抗率の温度依存性の結果)、77KにおけるLiznPのバンドギャップが約2.13eVであることを考慮すると、Vp(燐原子空孔)ドナ-から価電子帯への放射遷移によるものと考えられる。Vpの存在はラザフォ-ド後方散乱法による組成分析から示唆された。GaAs中のVas(ヒ素原子空孔)ドナ-アクセプタ-複合体による発光の類推から、848nmの発光はVpドナ-アクセプタ-複合体による放射遷移と考えられる。615nmの発光強度が励起光強度の増加に伴ってブロ-ドな848nm発光のそれよりも増加した。これは、LiZnPのバンドギャップの“直接遷移性"を反映し、再結合確率の増加に起因していると考えられる。タイプBの発光はバルク結晶の他、石英基板上のLiZnP薄膜からも観測された。このブロ-ドな発光はタイプAの発光を示す結晶よりも多く観察される。これは、育成結晶の多くがp型伝導を示すことと関係があると思われる。このとき、PL発光はVpド-ナ-アクセプタ-複合体による放射遷移によって支配され。タイプAおよびB中のアクセプタの起源の本質的に同じものであると思われるがその起源についてはさらに詳細な研究が必要である。 LiZnN化合物は、LiZnとNH_3ガスを500℃、6〜8時間反応させ合成した。X線回折から単一相のLiZnNの合成が確認され、格子定数は4.911〜4.987A^^°程度であった。しかし、物性測定を行うほどの良質の結晶は得られていない。
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