研究課題/領域番号 |
01540287
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中山 恒義 北海道大学, 工学部, 教授 (80002236)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | パ-コレ-ション / 局在励起 / フラクタル / ス-パ-・コンピュ-タ / 計算機シミュレ-ション |
研究概要 |
パ-コレ-ション系に励起されたスカラ-・フラクトンの基本的性質を解明するために、いくつかの数値実験が行われた。巨大なシステムを取り扱う必要性から、我々は新しい計算のアルゴリズムとス-パ-コンピュ-タ-を用いてシミュレ-ションを行った。まず、2次元および3次元におけるフラクトン励起の状態密度を求めた。その結果、フラクトン励起を特徴付けるフラクトン次元d_2は、いずれの場合も4/3に極めて近く、AlexanderとOrbachによる予想が確認された。パ-コレ-ション系の相関長ξ_Pよりも長波長の励起に対しては、状態密度はDebve理論にしたがうことが分かった(フォノン領域)。また、フォノンとフラクトンのクロスオ-バ-領域において、状態密度は滑らかであり、有効媒質近似により予想されたような特別なsteepnessは見られなかった。さらに、本研究では2次元パ-コレ-ション・クラスタ-上に単一のフラクトンを励起し、そのモ-ド・パタ-ンを視覚的に明らかにした。この結果から、フラクトンは空間的に強く局在したモ-ドであることが明らかとなった。その局在の様子は、局在中心(中心はどこに定義されるべきかはともかくとして)からはるかに遠いところにおいてさえも、中心対称性を持たない。これは、臨界濃度にあるパ-コレ-ション・クラスタ-が無限に長い相関長を持つためである。また、これらのフラクトン波動関数の集合平均を考え、平均的な局在パタ-ンを評価した。その結果、局在の強さを示す指数d_φは既存の理論が予想する値よりも遙かに大きな値2.3±0.1をとることが分かった。フクラトンが関与する物理現象を理解する際に重要なのは局在の指数d_φではなく、例えば、〓φ_<fr>やdivφ_<fr>等の量の集合平均が振動数やパ-コレ-ション濃度によってどう振舞うかであることが計算機上で始めて実証された。
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