研究課題/領域番号 |
01540289
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
立木 昌 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20028111)
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研究分担者 |
高橋 三郎 東北大学金属材料研究所, 助手 (60171485)
小山 富男 東北大学金属材料研究所, 助手 (30153696)
松本 秀樹 東北大学金属材料研究所, 助教授 (40209648)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 酸化物超伝導体 / 電子状態 / 電荷揺らぎ / 光学電気伝導度 / トンソル効果 / 核磁気共鳴 / 磁束ピニング / 磁化曲線 / 磁束線状態 / 金属絶縁体転移 / 層状構造 / ピニング / 臨界電流 / トンネル効果 / 下部臨界磁場 |
研究概要 |
酸化物高温超伝導体の最も重要な研究課題は、超伝導機構の解明である。酸化物超伝導体の著しい特徴は、絶緑体に隣接する金属状態で超伝導が発生することである。超伝導機構の解明の鍵は、この特殊な金属状態の電子状態を理解することであると考えられる。我々は、この系の電子状態を理解するために、銅軌道と酸素軌道の混成により誘起されるスピンと電荷の揺らぎを自己無撞着的に導入した計算により、電荷移動型のギャップ中に新しい多体の電子状態が形成されることを示した。この電子状態を基礎にして光電子分光強度や光学電気伝導度などの物理量を計算し、これらの実験結果を説明した。これらの研究成果を14編の論文や解説として発表した。この電子状態は大きな電荷揺らぎを伴うが、この電荷揺らぎが高温超伝導をもたらす電子間の引力の発生にどの様に関係しているかを現在研究中である。 銅酸化物超伝導体は層状構造を持っているため、超伝導状態の電気的・磁気的性質に様々の特異な性質が現れる。高温超伝導は何らかの引力相互作用によりCuO^2層で引き起こされており、他の層の超伝導は近接効果で誘起されているという模型を提出した。この模型に基づいて、トンネル・コンダクタンス、光学電気伝導度の異方性、各層のイオンにおけるナイトシフトや核磁気緩和率を計算した。その結果、多様性を示すこれらの物理量の実験結果を統一的に説明することができた。また、この層状構造が本質的なピニングとして働くことや、磁化曲線が通常の超伝導体のものと異なったものとなることを予想した。これらの研究成果を14編の論文や解説として、またその一部はブライトン(英国)における第19回低温国際学会において招待講演として発表した。
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