• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

原子の2電子高励起状態の自動イオン化過程における電子の協同運動効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01540321
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 物理学一般
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

森田 紀夫  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (30134654)

研究期間 (年度) 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
キーワード2電子励起状態 / Ca原子 / 電子相関 / 自動イオン化 / レ-ザ-多光子励起
研究概要

原子の2電子励起状態は、一般に1電子イオン化限界よりも高いエネルギ-状態にあるため、自動イオン化する。又、高い2電子励起状態においては、一般に強い電子相関があり、電子は共同運動していると考えられる。本研究では、Ca原子を対象として、その2電子相関の様子及び、自動イオン化の速さを研究するために、2電子高励起状態のスペクトルを観測した。2電子高励起状態への励起は、まず青色レ-ザ-の2段階励起によって1電子をリドベルグ状態へ励起し、次に残りの1電子を紫外レ-ザ-の2光子励起によって励起した。自動イオン化のために1価のイオンとなったCaは、更に紫外光をもう1光子吸収して2価のイオンとなる。この2価のイオンを検出することにより、2電子高励起状態の共鳴エネルギ-及び自動イオン化による共鳴幅の測定を行なった。測定は、これ迄に行なった^1S^e及び^1D^e状態に加えて、^1G^e状態に対して行なわれ、その多くの共鳴を観測することができた。しかし、全角運動量が大きくなるにつれて、2つの電子の主量子数が似かよった状態の励起断面積がより小さくなってゆく傾向が明らかとなった。これは、全角運動量の増加につれて、電子相関がより強くなってゆくためと考えられる。一方、本研究では、配置間相互作用計算法、及び、R行列法と多チャンネル量子欠損理論に基く非経験的理論計算のプログラムコ-ドを自作し、観測された2電子励起状態のスペクトルの再現を試みた。現在迄に、^1S^e状態のみに対して計算したが、大部分の状態に対して実験効果との良い一致を見ることができた。更に、この良い一致に基き、得られた波動関数から電子密度分布を求めた。これによると、幾つかのns^2状態の電子密度分布がCa^<2+>コアを中心に折れ曲った位置に集中していることがわかった。
この物理的意味は明確ではないが、そのように対称性を破った形の方がよりエネルギ-が低くなる為であろうと考えられる。

報告書

(1件)
  • 1989 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 森田紀夫: "レ-ザ-多光子励起によるCa原子の2電子励起状態の観測とその電子相関の研究" 応用物理. 58. 1737-1742 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 森田紀夫: "Laser spectroscopic observation and largeーscale configurationーinteraction calculation of doubly excited msns ^1S^e states of Ca atoms" Physical Review A.

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 森田紀夫: "Rーmatrix calculation of doubly excited ^1S^e states of Ca atom below the 6s threshold" Journal of Physics B.

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

URL: 

公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi