研究課題/領域番号 |
01540325
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金沢 敏彦 東京大学, 理学部, 助教授 (30114698)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 海底地震計 / OBS / 開発 / 超深海型海底地震計 / 超深海 / 三重会合点 / 房総沖 / 速度構造 |
研究概要 |
本年度は本研究の最終年次にあたるが、当初の研究計画どおりに、初年次(平成元年度)の房総沖海溝三重点における観測の結果をふまえて、試作型の細部の手直しをおこない、9000mの超深海で使うことのできる海底地震計を完成させた。具体的には、1)平成1年度に実施した海での試験観測で得られたシステム全体のノイズ特性、周波数特性の分析結果に基づき、電子回路および全体の機械的構造の変更を行った。2)ガラス球6個を結合する外枠の強度の向上と浮上姿勢の制御を最適にするために、外枠の再設計と製作をおこなった。 完成した最終型は、本年度は伊豆小笠原海域のスミス島周辺でおこなわれた地震予知航海において使用し、人工震源を利用した速度構造調査および自然地震の観測をおこなった。約1箇月の観測の後、無事に回収することができた。得られた記録は現在まだ解析中であるが、電子回路の変更および機械的構造の変更の効果は大きく、海底とカップリングやノイズ特性に向上が見られた。特に従来型の海底地震計と比較した場合、水平動成分の海底とのカップリングの向上が見られるなど、性能的には満足できるものとなっている。この超深海型海底地震計の完成によって、これまでの海底地震観測では観測の穴となっていた9000mまでの超深海底での、地震観測が可能となったと言える。 この超深海型海底地震計を従来型の海底地震計と併用しておこなった房総沖海溝三重点の地震波速度構造調査のデ-タは、現在解析中でありまだおおまかな構造モデルしか得られていない。しかし、本研究によって、太平洋プレ-トおよびフィリッピン海プレ-トが北米プレ-トの下にどのようにお互いの位置関係を保ちながら沈み込んでいるのかはじめて明らかにすることができたといってよい。本研究で開発した超深海型海底地震計の貢献である。
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