研究課題/領域番号 |
01540356
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
手老 省三 東北大学, 非水溶液化学研究所, 助教授 (80111318)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 時間分解ESR / 光化学反応 / 分子内水素移動 / 励起三重項状態 |
研究概要 |
時間分解ESR法は、短寿命励起三重項種や光化学反応中間体常磁性種の検出と構造の研究に有用であることから、その特徴を標題の研究に応用し、新たな成果を得た。 1.時間分解ESRスペクトルのS/N比改善と波形解析の高精度化。 シグナルデジタイザ-(本研究費設備備品:グラフテックSD2120)を既存ESR装置に接続し、高速信号取り込みをリアルタイムで行ない、コンピュ-タ-に送り込むシステムを完成させた。これにより、信号/雑音比の改善、スペクトル波形の高精度解析処理が可能となった。 2.シッフ塩基の光誘起分子内水素移動反応 レ-ザ-励起分子内水素移動反応の緩和過程で生ずる励起三重項種の時間分解ESR測定を、種々のシッフ塩基について行ない、興味ある成果を得た。ナフタレン骨格をもつシッフ塩基では、水酸基の位置で反応性も大きく異なり、電子スピンはキノイド構造部分に局在することが、スペクトル解析と理論計算から明らかにされた。 3.ベンゾオキサゾ-ル誘導体の光誘分子内水素移動 2-(2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾ-ルとその関連化合物について、無リン光性励起三重項種の検出に成功し、キノイド構造が三重項状態の電子構造に重要であることを明らかにした。 4.光化学反応中間体と短寿命励起三重項種の時間分解ESR研究。 本研究により、三重項一三重項エネルギ-移動過程におけるスピン分極の保存、ピリジン誘導体の光化学反応初期過程と励起三重項状態の電子構造が明らかにされた。さらに、フタロシアニンの励起三重項状態の検出や芳香族カルボニル化合物の光化学反応で生成するCIDEPスペクトルに及ぼす因子を解明した。 本研究により、時間分解ESR法の研究は一段と進展した。
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