研究課題/領域番号 |
01540365
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
石渡 孝 東京工業大学, 理学部, 助手 (40134811)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 二重共鳴法 / 電子緩和 / ハロゲン分子 / イオン対状態 |
研究概要 |
衝突による励起分子の電子緩和過程を明らかにするには、励起状態間の相互作用を衝突第三体を含めた分子間ポテンシャル曲面上の問題として扱う動力学的な考察が必要である。ところが、高エネルギ-領域では、一般に励起状態密度が高いため、その電子構造や分子間ポテンシャルを正しく記述する実験デ-タが非常に得難い。本研究では、ハロゲン分子のイオン対状態への光励起過程に二重共鳴の技術をとり入れ、その電子励起状態の構造を分光学的に詳しく解析するとともに、ハロゲン分子のレ-ザ-発振機構を理解する上で重要なイオン対状態間の緩和過程を明らかにするこを目的とした。 ハロゲン分子を基底状態(×^1Σ^+_g)から中間状態(B^3ΠCO^+_u)またはA^3Π(1u))を経由する二重共鳴遷移により、光励起の状態選択性があがり近接したイオン対状態の分光学的観測が可能となった。また、通常の方法では遷移則等の制約のため測定困難な励起状態も観測できるようになった。例えば、Cl_2分子のイオン対状態のうち258nmのレ-ザ-遷移に関与する励起状態をこの方法で測定したところ、この領域には4つの異なる励起状態間の遷移が含まれることを見いだした。しかし、これらイオン対状態のうちエネルギ-的に最も低い2g(3P_2)状態への衝突緩和が非常に速いため、2g(3P_2)-A^3Π(2u)遷移がCl_2のレ-ザ-発振に大きな寄与をしていることを見い出した。また、その電子緩和過程てを希ガスとの相互作用で生じるイオン対状態の非等方的な分子場ポテンシャルをイオン対状態の回転緩和速度を再現するように決定して、その断熱ポテンシャルをもとにその緩和機構を論じた。
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