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過渡的ラジカルイオン対における交換相互作用と高速時間分解ESR

研究課題

研究課題/領域番号 01540374
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 物理化学一般
研究機関大阪大学

研究代表者

村井 久雄  大阪大学, 理学部, 助手 (50142261)

研究期間 (年度) 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワードラジカルイオン対 / 時間分解ESR / CIDEP / TMPD / SーTー混合 / 交換相互作用 / スピン分極 / RPM
研究概要

時間分解ESR法を、過渡的ラジカルイオン対を生成すると期待されるいくとかの系に応用し、当初の予想どおりに交換相互作用の存在を示すことに成功した。まずTMPD(N,N,N',N'テトラメチルパラフェニレンジアミン)をユ-プロパノ-ル中で窒素ガスレ-ザ-(波長337nm)あるいはエキシマ-レ-ザ-(351nm)を用い、光励起することによりTMPDのカチオンラジカルと溶媒和電子との交換相互作用により分裂したCIDEPスペクトルの観測に成功した。この新しい現象の発見から、この系における交換相互作用の符号は通常のラジカル対とは異なり正であることが明らかとなった。次にTMPDと無水マレイン酸を混合した系を用いて同様の測定を行なった。その結果、無水マレイン酸の低濃度領域において、やはり交換相互作用によるスペクトル上の分裂が確認できた。このことから。TMPDカチオンラジカルと無水マレイン酸アニオンラジカルガラジカルイオン対を形成していることが明らかとなった。さらに無水マレイン酸アニオンラジカルのスピン分極から、通常は高粘土あるいは人為的にラジカル間の相互作用を強めた系のみに見られるSーTマイナス混合がこの系で起こっていることが確認できた。以上から過渡的ラジカルイオン対の相互作用がク-ロンカにより非常に強くなっているためと結論づけられる。以上のように、ラジカルイオン対に関して時間分解ESR法を応用することは非常に有用であり、強い交換相互作用やSーTマイナス混合がラジカルイオン対一般にあてはまるものと考えられる。現在はキサントンを含む光還元反応の系において塩酸添加が異常なスピン分極を現わす現象の研究を始めているが、この系においてもラジカルイオン対の生成といった初期過程が重要な役割を演じていると考えるに至った。

報告書

(1件)
  • 1989 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hisao MURAI: "CIDEP of Transient RadicalーIon Pair:Photolysis of N,N,N'N'ーTetramethy1ーpーPhenylenediamine in 2ーPropanol" Chemical Physics Letters. 164. 567-570 (1989)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Keishi OHARA: "The CIDEP Memory Transfer in the SpinーAdduct Formation:Photosensitization of Maleic Anhydride in Alcohols" Journal of Physical Chemistry.

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Keishi OHARA: "Anomalous TM SpinーPolarization Induced by the Addition of Hydrochloric Acid to Photochemical System of Xanthone" Chemical Physics Letters.

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Hidekazu HONMA: "CIDEP of Transient RadicalーIon Pair:Photooxidation of N,N,N',N'ーTetramethy1ーpーPhenylenediamine with Maleic Anhydride" Journal of Physical Chemistry.

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

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公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

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