研究課題/領域番号 |
01540386
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
|
研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
佐々木 宗夫 甲南大学, 理学部, 教授 (90025396)
|
研究分担者 |
杉本 直己 甲南大学, 理学部, 講師 (60206430)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | プロトン・スポンジ / プロトン移動反応 / ミセル / 核酸 / オリゴヌクレチオド / 二重らせん形成 / DNA |
研究概要 |
1.1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン(別名プロトン・スポンジ、PSと略称)、およびクリプトピロ-ル(KP)の関与するプロトン移動反応を、種々の界面活性剤水溶液中で速度論的に研究した。アニオン性ミセル溶液中ではPSの共役酸であるPSH^+が水相とミセル相とに分配され、反応は水相および両相の界面とで起こっているとすると定量的に解釈できた。またミセル-水界面での反応の活性化諸量がミセルの表面電位に敏感であった。これらの結果は例えば生体系でのプロトン移動反応の制御など、ミクロ環境効果を考慮するうえで有効な知見を与えるものである。 2.DNAとテトラキス(4-N-メチルピリヂル)ポルフィンとの結合反応の平衡と反応速度を調べた。錯体生成の平衡定数(K)はエタノ-ルを添加するにつれてやや増加した。塩濃度を増やすと、Kは低下したが、高濃度ほど低下の割合が著しい。これに対応して反応速度も、低塩濃度では単一指数関数的であるが、高塩濃度になるにしたがってダブル指数関数にフィットするようになった。これらの結果から、この結合反応はインタ-カレ-ションではなく、静電的なアウトサイド、バインデイングで、かつ多段的であることが明らかとなった。 3.相補的なオリゴヌクレオチドの二重ラセン形成について、エネルギ-的に検討した。デオキシリボヌクレオチドであるdA_<10>・dT_<10>系ではT_m(融解温度:二重らせんが半量解ける温度)が0.032MNa^+バッファ中では17.8℃であり、Na^+濃度を1.02Mにすると43.7℃まで上昇した。この挙動から、このオリゴマ-はB型DNAのような二次構造であることがわかった。自己相補的なリボヌクレオチドAUGCAUでも、Na^+濃度の増加とともにT_mは増大したが、変化の割合はdA_<10>・dT_<10>ほどではなかった。
|