研究課題/領域番号 |
01540392
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
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研究機関 | 国立公害研究所 |
研究代表者 |
鷲田 伸明 国立公害研究所, 大気環境部・大気化学研究室長 (70101045)
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研究分担者 |
酒巻 史郎 環境庁国立公害研究所, 大気環境部, 主任研究員 (40132849)
畠山 史郎 環境庁国立公害研究所, 大気環境部, 主任研究員 (30132856)
坂東 博 環境庁国立公害研究所, 大気環境部, 主任研究員 (80124353)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | フリ-ラジカル / ヒドロキシアルキルラジカル / カルボキシルラジカル / 光イオン化 / 光イオン化質量分析法 / レ-ザ-光解離 / 酸化反応 / トンネル効果 |
研究概要 |
水素原子が一つ多くついたフリ-ラジカルとして、ヒドロオキシアルキルラジアルとカルボキシルラジカルの検出にはじめて成功した。ヒドロキシアルキルラジカルはアルデヒドに一つ水素原子がついたラジカルであり、カルボキシルラジカルは二酸化炭素に一つ水素原子がついたラジカルである。これらのラジカルはその前駆体となる分子のパルスレ-ザ-光解離(主としてArFエキシマ-レ-ザ-光、193nm)により生成させることができた。例えばαーヒドロオキシエチルラジカル(CH_3CHOH)はアセトイン(CH_3COCH(OH)CH_3)の光解離により、βーヒドロオキシエチルラジカルは2ーブロモエタノ-ルの光解離により生成し、カルボキシルラジカル(HOCO)はアクリン酸の光解離により生成させた。生成したラジカルはパイレックス製ピンホ-ルを通して真空中にサンプリングし、キセノン(8.44ev)またはクリプトン(10.0.ev)の真空紫外光で光イオン化し、四重極マスフィルタを通した後イオンで検出された。ヒドロキシアルキルラジカルについては7種類のラジカルについて酸素分子や一散化窒素分子との反応速度が測定された。興味あることは、これらのラジカルのイオン化電圧と反応速度定数に非常によい相関が見出されたことである。また一般に反応速度はアルキルラジアルに比べて速く、これらのラジカルの不安定さが証明された。カルボキシルラジアルの場合はさらに不安定で、このラジカルが少し内部エネルギ-を持つと、水素原子と二酸化炭素に分解することが、その寿命の測定結果から示された。さらに重水素化したカルボキシルラジカルの測定によってこの分解過程がトンネル効果によるものと推定された。カルボキシルラジカルと酸素分子の反応は極めて速く、このラジカルがなかり不安定なラジカルであることも証明された。
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