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ビスジアゾ化合物の光分解過程、および発生する活性中間体の構造と反応性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01540420
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 有機化学一般
研究機関三重大学

研究代表者

村田 滋  三重大学, 工学部, 講師 (40192447)

研究期間 (年度) 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワードジアゾケトン / Wolff(ヴォルフ)転位 / 低温マトリックス
研究概要

特異な光化学反応性を示すことが期待されるα,α'ービスジアゾケトンの分解過程を一般的に理解するために、今年度は過去に報告例のない二種の新しいビスジアゾケトンを合成し、室温溶液中および極低温マトリックス中の反応性を詳細に検討した。七員環骨格に組み込まれたビスジアゾケトンである5,7ービスジアゾジベンゾシクロヘプタジェンー6ーオンは相当するケトンに対する,アルミナに吸着させたフッ化カリウム存在下トシルアジドによるジアゾ移動反応により合成できた。その溶液中の反応性は、従来知られているビスジアゾケトンの反応性とは全く異なり,Wolff転位後生成するジアゾケテン中間体の由来する生成物が得られた。また二個のジアゾ基が非等価な構造を持つ2,4ージスジアゾテトラヒドロナフタレンー1,3ージオンを同様の手法を用いて合成し、ジアゾ基の分解選択性を検討した。含水ベンゼン中で光照射すると二個のジアゾ基が分解した後Wolff転位を経て水とベンゼンが一分子ずつ反応した構造を持つ2ーイソダノン誘導体が25%程度の収率で得られた。生成物の構造から生成機構を推定した結果この化合物は、異なる環境にある2個のジアゾ基のうち縮環した芳香環に近接したジアゾ基が先に分解して生成したものと結論した。極低温マトリックス中では、前者のビスジアゾケトンからは溶液中の反応で想定した反応中間体がさらに光分解を受けて生成したシクロプロペノン誘導体が直接観測された。また後者のビスジアゾケトンについて非等価なジアゾ基の分解過程の直接観測を試みたが、生成するケテンの吸収との重複によりジアゾ基の分解選択性に対する明確な結論を出すことはできなかった。以上の様に、新しい構造を持つ二種類のビスジアゾケトンの反応性を検討することにより、光分解過程に及ぼす骨格の影響が明らかになり、非等価なジアゾ基の分解選択性に関しても興味深い知見を得ることができた。

報告書

(1件)
  • 1989 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Shigeru Murata: "Photochemical Reactions of 1,3ーBis(cliazo)ー2ーindanone in Ar Matrix at 10K" J.Chem.Soc.,Chem,Commun.

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] Shigeru Murata: "Reaction of Bicyclo〔6.3.0〕undecaー2,4,6,8,11ーpentaenー10ーylidene in OxygenーDoped Matrices." J.Am.Chem.Soc.

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 杉山武彦: "1,3ービスジアゾー2ーカルボニル化合物の合成とその光化学反応" 日本化学会第59春季年会講演予稿集II. (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

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公開日: 1989-04-01   更新日: 2016-04-21  

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